目次
ディスプレイ広告とリスティング広告の違い
まずは、ディスプレイ広告とリスティング広告の違いを見ていきましょう。
【一覧表】
ディスプレイ広告 | リスティング広告 | |
表示場所 | Webサイトやアプリなどの広告枠 | 検索エンジンの検索結果画面 |
表示できる広告 | 画像・動画・テキスト | テキスト(+画像) |
ターゲット層 | 潜在層 | 顕在層 |
課金方式 | クリック課金
インプレッション課金 コンバージョン課金 |
クリック課金 |
クリック単価 | 30〜150円目安 | 100〜800円目安 |
広告の表示場所
ディスプレイ広告
Webサイトやアプリなどの広告枠に表示されます。
【掲載場所の例】
- Webサイト
- ニュースサイトやポータルサイト、個人・企業のブログに用意されている広告枠
- YouTube
- おすすめ動画や関連動画の近くに表示される広告枠
- Gmai
- メインタブの横にあるプロモーションタブとソーシャルタブにメールと同じ形式で表示される。メールと同じように閲覧できる
- アプリ
- ゲームやニュースのアプリ内の広告枠に表示される
リスティング広告
リスティング広告の表示場所は、検索エンジンの検索結果画面です。検索結果画面の上部や下部に、「スポンサー」という文字とともに表示されます。
表示できる広告の種類
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告は画像や動画、テキストなどのコンテンツを組み合わせて表示できます。
それぞれのコンテンツを単独で表示することも、「動画+テキスト」「画像+テキスト」といった組み合わせでも表示可能です。バナーで表示されることも多いので「バナー広告」とも呼ばれます。
リスティング広告
リスティング広告はテキストのみで表示されます。構成される主な要素は以下のとおりです。
- タイトル
- 見出し
- 広告文
- リンク先のURL
画像表示オプションを使用すれば画像も表示できますが、あくまで補助的な情報としての役割です。
アプローチできるターゲット層
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告は主に潜在層をターゲットとします。潜在層とはニーズが明確ではないユーザーのことで、例は以下のとおりです。
- 商品の存在を知らない人
- 商品の存在は知っているが「欲しい」と感じていない人
- 自分の問題・悩みなどを自覚していない人
- 自分の問題や悩みがその商品で解決できることを知らない人
リスティング広告
対して、リスティング広告は顕在層をターゲットとします。
顕在層は、自分の課題や問題の解決、欲求を満たしたいというニーズを明確に自覚している人たちです。「良い商品があるならすぐにでも購入したい」と考える、非常に購買意欲の強い人たちと言えます。
課金方式
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告の課金方式は以下の3種類です。
- クリック課金
- 広告がクリックされたときのみ料金が発生。表示されるだけでは料金は発生しない
- インプレッション課金
- 広告が1,000回表示されると料金が発生。クリックされても料金は発生しない
- コンバージョン課金
- 広告がクリックされてユーザーがコンバージョンに至った場合にのみ料金が発生。設定するには一定の条件あり
「ユーザーがコンバージョンに至る」とは、ユーザーが広告を経由して商品を購入したり、商品を予約したりすることを言います。
リスティング広告
リスティング広告の課金方式はクリック課金のみです。
クリック単価
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告はクリック単価が低い傾向にあります。ディスプレイ広告は配信できる広告枠が膨大にあり、配信できる枠が多いと広告掲載を競うためのオークションが起こりにくいからです。
クリック単価(CPC)の目安は30〜150円ほどで、リスティング広告の10分の1ほど安くなるケースもあります。
リスティング広告
リスティング広告は、広告が検索結果にしか配信されないので競合との競争が激しくなりやすく、クリック単価も高くなりがちです。競合が多い、もしくは競合が強いキーワードでは、広告を配信すること自体ができないケースも考えられます。
クリック単価(CPC)の目安は100〜800円ほどで、金融や不動産など競争の激しい業界では1,000円を超える場合もあります。
ディスプレイ広告とリスティング広告のメリット比較
次に、ディスプレイ広告とリスティング広告のメリットを見てみましょう。
表にまとめると以下のようになります。
ディスプレイ広告のメリット | リスティング広告のメリット |
・視覚的なクリエイティブで印象に残る
・幅広いターゲット層にリーチ可能 ・リターゲティングで接触回数を増やせる ・クリックされなくても訴求できる |
・的確なターゲティングができる
・即効性がありすぐに結果が見える ・コンバージョン率が高い ・具体的な広告パフォーマンスを測定できる ・費用対効果が高い |
上記の内容をくわしく解説します。
ブランド認知を高めたいならディスプレイ広告
ディスプレイ広告には「視覚的訴求力に優れる」という特性があります。そのため、生み出されるメリットも、その特性を生かしたものが多いです。
視覚的なクリエイティブで印象に残る
静止画、アニメーション、動画といった多様な形式で広告クリエイティブを作成できるため、ユーザーの目を引く広告を用意できます。
また、ユーザーに提供できる情報量も多いので、商品やサービスの魅力を伝えやすいのもメリットです。「こんな商品が発売されたのか」や「いい商品だな、ちょっと調べてみよう」といった興味・関心の喚起にもつなげられます。
幅広いターゲット層にリーチ可能
ディスプレイ広告では、以下のような情報を詳細に設定して効率よくユーザーにアプローチできます。
・性別 ・年齢 ・地域 ・興味関心 ・Webサイトでの閲覧履歴 ・PC、スマートフォン、タブレットなどのデバイス |
上記の他にもさまざまな情報を使って、特定の属性を持つユーザーをピンポイントに狙って広告を届けられます。
リターゲティングで接触回数を増やせる
ディスプレイ広告は、自社のサイトを訪問して離脱したユーザーを追いかけて自社商品の広告を表示することで、コンバージョン率を向上させることが可能です。この機能をリターゲティング機能と言います。
たとえば、自社が運営しているアパレルのECサイトで商品を閲覧後、別のサイトに移ったユーザーに対し、閲覧していた商品の広告を配信するなどです。「お買い忘れはありませんか?」と再度商品を見せることで、リマインドの効果が見込めます。
クリックされなくても訴求できる
ディスプレイ広告は視覚的なインパクトが強いため、ユーザーの目を強く引きます。そのため、広告がクリックされなくても一定の広告効果が期待できます。
商品画像や実際に商品を使っている映像を流せばユーザーの記憶にも残りやすいので、認知獲得の面でも有利です。
購買意欲の高いユーザーを狙うならリスティング広告
リスティング広告は、「自分の悩みや課題を解決し、ニーズを満たせる商品を探しているユーザー」に効率よくアプローチできます。商品の購入やサービスの成約などを獲得するのに向いている広告形式です。
的確なターゲティングができる
リスティング広告は、ユーザーが一定のニーズをもって検索するキーワードに合わせて広告を表示できるため、購買意欲の高いユーザーに効率よくアプローチできます。
たとえば、「鍵を失くして家に入れない」というニーズを持つユーザーに対し、鍵のトラブルを解決するサービスの広告を届けるイメージです。
即効性がありすぐに結果が見える
リスティング広告は、運用開始直後から広告を検索結果画面に表示できるため、短期間での集客やコンバージョンの獲得に向いています。その分、広告費用が高くなる可能性はありますが、早ければ数日〜数週間のうちに集客効果を得ることも可能です。
コンバージョン率が高い
リスティング広告は検索意図に合わせて広告を表示できるため、ニーズが高まっているユーザーを効率よく自社のランディングページに誘導できます。自社のランディングページを訪問したユーザーは、商品やサービスの内容を気に入れば、そのまま購入に至るケースも多いです。
具体的な広告パフォーマンスを測定できる
リスティング広告は、広告の管理画面でクリック率やコンバージョン率、広告の表示回数などの詳細なデータを確認・分析できるので、効果測定がやりやすいのもメリットです。特別なツールも必要なく、無料で広告効果の数値を確認できます。
費用対効果が高い
リスティング広告は、クリックされたときにのみ料金が発生する仕組みなので、もともと費用対効果の高い広告媒体です。
競合との入札競争でクリック単価が高くなることはありますが、それ以上にディスプレイ広告よりもコンバージョン率が高いため、投資対効果が高いのもメリットです。
どちらを選ぶべき?利用シーンに応じた使い分け
これまで解説したとおり、ディスプレイ広告とリスティング広告は特徴もメリットもまったく異なります。そのため、「認知獲得はディスプレイ広告で」「コンバージョン獲得はリスティング広告で」というように、目的ごとに使い分けられるケースが多いです。
ディスプレイ広告を選ぶべき利用シーン
まず、ディスプレイ広告の利用がおすすめのシーンを紹介します。
商材やブランドを広く認知させたい場合
ディスプレイ広告の基本。視覚的訴求力の高いクリエイティブを繰り返し表示することで、自社の商材・ブランドを自然に認知してもらえます。広告を違和感なく自然な形で繰り返し表示できるディスプレイ広告は、商材・ブランドを浸透させる目的に適していると言えるでしょう。
商品やサービスの認知を拡大するには、まず「ユーザーに見てもらう」ことが重要です。見てもらうことで、新商品やサービスの魅力を幅広いユーザーに知ってもらえます。
訴求ポイントをビジュアルで伝えたい商材の場合
アパレル、食品、インテリアなど、テキストだけでは魅力が伝わりづらい商材の場合もおすすめ。「おしゃれ」「美味しそう」などの視覚的な魅力だけでなく、「雰囲気」や「使用シーン」の想起もアピールできます。
商品を実際に使用している動画や商品の外観を動画で見せれば、どのような商品かを一目瞭然で伝えられるのがメリットです。
リターゲティングで再度顧客にアプローチしたい場合
ディスプレイ広告は、過去に自社サイトを訪れたユーザーに対して、再度商品やブランドを訴求できます。「購入しようかどうしようか」と迷いつつ離脱したユーザーに対して再アプローチできるので、コンバージョンを獲得しやすくなります。
基本的にディスプレイ広告は認知拡大に向いていますが、運用次第ではコンバージョン獲得でも成果を出すことが可能です。
特定の時期・イベントの短期プロモーションを実施する場合
ディスプレイ広告は、バレンタイン、年末セール、キャンペーン期間など、特定の期間で一気に露出を増やしたい場合にも向いています。
配信面が多くクリエイティブも目立ちやすいため、「広告で見かけて興味を持った」というきっかけづくりに活用することができます。
リスティング広告を選ぶべき利用シーン
次にリスティング広告の利用がおすすめのシーンを紹介します。
すぐにコンバージョンを狙いたい場合
購買意欲の高いユーザーが検索結果画面を見るタイミングで自社の広告を表示できるので、リスティング広告は、コンバージョン獲得の即効性が高いと言えます。
ただ、あくまでも「獲得の可能性が高い」だけなので、確実にコンバージョンを獲得できるわけではないことに注意してください。
期間限定のキャンペーンやセールを告知したい場合
リスティング広告は購買意欲が高まっている状態のユーザーをピンポイントで狙えるため、見慣れない広告であってもクリックされやすいので、コンバージョンも獲得しやすくなります。
広範囲のプロモーションに向いているディスプレイ広告と違い、すでに「○○ セール」「○○ キャンペーン」と検索されている商材などで見込み顧客を逃したくない時にはリスティング広告を選ぶと良いでしょう。
店舗来店が目的の場合
リスティング広告は特定のエリアに限定した配信ができるため、美容院や病院、塾、ヨガ教室といった自店舗を構えるビジネスの集客でも効果を発揮します。
地域ターゲティングと呼ばれるこの手法は、国・都道府県・市区町村などを設定してリスティング広告を配信できます。たとえば、「東京都○○市○○区」のエリアに住むユーザーと頻繁に訪れるユーザーにのみ広告を配信することが可能です。集客したいエリアが明確なら、積極的に使いたい機能です。
緊急性の高い商材の場合
鍵の修理や水回りの修理、急を要する法律トラブルなどの緊急性が高い商材・サービスは「利用するかしないか」を検討する期間が短いため、すぐに依頼に至るケースが多いです。ニーズが高まっているユーザーにうまくリスティング広告を表示できれば、コンバージョンにつながりやすくなります。
たとえば、キッチンの水漏れで困っているユーザーに水回りのトラブルを解決するサービスの広告を表示すれば、高確率でクリックされるでしょう。ランディングページに移動したユーザーに対し、「水漏れをすぐに修理できること」「費用が妥当であること」などを訴求すれば、高確率で依頼を獲得できます。
自社名・商品名での検索(指名検索)を確実に押さえておきたい場合
リスティング広告は、指名キーワードを使って自社の商品やブランドを検索するユーザーに対し、競合よりも目立つ形でアピールできます。
具体的には、自社の商品名やブランド名でリスティング広告を配信すると、広告と自然検索で上位表示される自社サイトの両方を検索結果画面に表示させられます。
その分、自社が検索結果画面を専有する面積が大きくなるため、ユーザーの興味を引きやすくなるとともに、競合より優位に立てるわけです。
ディスプレイ広告とリスティング広告の併用で相乗効果を狙う
ディスプレイ広告とリスティング広告は、それぞれのメリットや特性を活用して併用すれば、幅広いターゲット層に訴求できて多くのコンバージョンの獲得が狙えます。
新商品やサービスを広く認知させたい場合
【ディスプレイ広告→リスティング広告】
まずは、ディスプレイ広告で「浅く広い」認知の獲得を狙います。そして、興味を持って検索したユーザー向けにリスティング広告を配信し、自社のランディングページに誘導します。
これにより、新商品やサービスを広く深く認知させつつ、即効性のあるコンバージョンの獲得が期待できるでしょう。
購買意欲が高いユーザーを獲得したい場合
【リスティング広告→ディスプレイ広告】
まずは、リスティング広告で購買意欲の高いユーザーにアプローチして自社のランディングページに誘導し、コンバージョンの獲得を狙います。そして、コンバージョンに至らずに離脱したユーザーにディスプレイ広告のリターゲティング機能を使って再アプローチします。
これにより、「購入しようかどうしようか」迷って離脱したユーザーからのコンバージョンの獲得が期待できるでしょう。加えて、さらなる売上拡大のために、より多くの認知を獲得するためにディスプレイ広告を配信し続ければ見込み客の獲得拡大にもつながります。
よくある質問
ディスプレイ広告とリスティング広告は基本、併用することが望ましいです。ただ、初心者の方が両方の媒体をバランスよく運用するのは荷が重いとも言えます。そこでこの項目では、「初心者の方が始めるならどちらがおすすめか」について解説します。
ディスプレイ広告とリスティング広告はどちらが初心者向き?
ディスプレイ広告とリスティング広告のどちらを選ぶかは状況によって異なりますが、どちらか一方から始めるならリスティング広告をおすすめします。
・成果に直結しやすい
今すぐ相談・購入したいというニーズがあるユーザーへ配信ができ、申し込みや売り上げなどに直結しやすいため、広告費に対する成果が見えやすいのがメリット。
・テキストのみで配信できる気軽さ
ディスプレイ広告は画像・動画のクリエイティブ設計が求められますが、リスティング広告はテキストのみで配信可能。配信開始までに必要なリソース観点でもリスティング広告がおすすめです。
ディスプレイ広告とリスティング広告の予算目安は?
「どのくらいの予算があれば求めているコンバージョンを獲得できるか?」は、広告運用を検討する人がもっとも気になる内容だと思います。必要になる予算額はそれぞれの業界や商材、運用目的などによって異なりますが、目安としては下記の通りです。
ディスプレイ広告の予算目安
初期予算としては、月額30万〜100万円が目安です。リスティング広告と比べてクリック単価は安いものの、広告の成果を実感するためには最初からある程度の予算(配信量)が必要です。
運用で成果が見えてきた場合は、継続予算として月額100万〜300万円ほどまで確保できるとさらに費用対効果が見えやすくなるでしょう。
リスティング広告の予算目安
リスティング広告は少額からテスト→改善のサイクルが回せるため、業種やキーワードにもよりますが月額10万〜50万円から始められます。
成果が出るキーワードやターゲティングがわかってきた場合はそこに集中投下し、更なる獲得を目指します。継続予算としては月額30万〜100万円程度が目安。
どちらの方が効果測定(数値の見える化)がしやすい?
どちらも配信結果は細かく確認できますが、リスティング広告の方が的確に効果測定が行えるでしょう。
リスティング広告は「購入」「申し込み」など目標が数値で測れるため、ひとつの広告に対して最終的なコンバージョンまできっちり追うことができます。
ディスプレイ広告も同じようにコンバージョン数、表示回数などが計測できますが、認知度まで含めると最終的な「どの広告がどこまで影響を与えたのか?」の特定は難しいでしょう。
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