Googleアナリティクスをチェックするうえで、知っておきたい「ディメンション」の定義。しかし、その定義を少々ややこしいと思われる方もいるでしょう。
本記事では、ディメンションにまつわる必要な知識を具体的に解説しています。
【本記事でわかること】
・ディメンションの意味
・データの活用方法
・よく使われるディメンションの例
・よく似ている「指標」との違い
初心者でもわかりやすいように紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
Googleアナリティクスにおけるディメンションとは
ディメンション(dimension)とは、英語で「大きさ」「性質」「次元」を表す単語です。
しかし、Googleアナリティクスを活用するWeb担当者においては少し意味が変わります。ディメンションとは、レポートの切り口となる「分析軸」のことをいいます。
具体例をあげると
- 「都道府県別で、ユーザー数を確認したい」
- 「ページ別で、コンバージョンを確認したい」
という場合の「◯◯別で」の部分がディメンションです。
ディメンションの例 | 指標の例 | |
市区町村 | セッション | 直帰率 |
東京 | 5,000 | 57.00% |
神奈川 | 3,000 | 39.08% |
埼玉 | 2,000 | 31.00% |
千葉 | 2,000 | 45.68% |
ディメンションを定めてデータ解析することで、より掘り下げた解析が可能となり、Webサイトの改善や広告・キャンペーンの質向上にもつながります。
ディメンションと混同しやすい「指標」
ディメンションと同時に使われる言葉に「指標(メトリクス)」があります。
指標とは、
- 「都道府県別で、ユーザー数を確認したい」
- 「ページ別で、コンバージョンを確認したい」
という場合の「◯◯を」の部分を指します。前述の表の、セッション・直帰率の部分が指標です。
ディメンションデータの活用方法
ディメンションデータは、イベント・広告の改善やWebサイトの質向上のために活用できます。
- 活用例1:広告を出稿したあとに成果をチェックする場合
「広告への流入経路ごとに、コンバージョン数をみたい」という場合には、トラフィックやコンテンツグループ関連のディメンションを確認しましょう。
- 活用例2:ユーザーの年齢や性別をチェックする場合
「自社サイトが狙ったとおりのターゲットにみてもらえているのかをみたい」という場合には、ユーザー属性関連のディメンションを確認しましょう。
- 活用例3:会員と非会員の購買率をチェックする場合
「非会員よりも会員のほうが購買率が高いのか、否かをみたい」という場合には、ユーザー属性関連のディメンションを確認しましょう。
以上のように広告やWebサイト自体の効果を検証し、次の施策で「何をどう改善すべきなのか」を見つけ出すきっかけになります。
代表的なディメンションの例
よく使用されるディメンションをまとめました。データ解析が難しい方も、まずはこれらのディメンションから確認してみましょう。
ディメンション名 | 概要 |
参照元 | トラフィックがどこから誘導されたのか |
参照URL | トラフィックの誘導元のURL |
トラフィックの種類 | サイトへのトラフィックの種類
(検索・ノーリファラー・参照など) |
メディア | トラフィックの流入元のメディア |
参照元/メディア | トラフィックの参照元とメディアの組み合わせ |
デフォルトチャネルグループ | 初期に設定されているトラフィックのチャネルグループ |
キャンペーン | Google広告キャンペーンやカスタムキャンペーンの名前 |
キーワード | ユーザーがサイトアクセスする際に使用したキーワード |
ページ | ユーザーが訪問したページのURL |
ランディングページ | ユーザーが最初に表示したページ |
離脱ページ | セッション内で最後に表示されたページ |
サイト内検索キーワード | サイト内検索で使用されたキーワード |
デバイスカテゴリ | デバイスの種類(パソコン・タブレット・モバイル) |
時 | 1日の時刻。曜日と組み合わせると「曜日×時間帯」別のセッションや売上の分布を確認できる。 |
曜日 | 曜日 |
年齢 | ユーザーの年齢 |
性別 | ユーザーの性別。年齢と組み合わせることで「性別×年齢層」別のセッションや売上の分布を確認できる。 |
市区町村 | ユーザーの所在地 |
商品カテゴリ | 販売した商品のカテゴリ |
商品 | 販売した商品の名前 |
上記のなかから「何を軸にしてデータを見るべきなのか」を考えてくださいね。
代表的な指標の例
続いて、よく使用される指標をまとめました。何を見ればいいのかわからない場合は、これらの指標のデータ解析から始めましょう。
指標名 | 概要 |
ユーザー | 期間中に1回以上のセッションを開始したユーザー数 |
新規ユーザー | 指定した期間の初回ユーザーの人数 |
セッション | 期間内の合計セッション数 |
直帰率 | 全体のセッションのうち何%が1ページしか見なかったかを表す割合 |
ページ/セッション | セッション中に表示された平均ページ数 |
平均セッション時間 | セッションの平均時間 |
目標の完了数 | コンバージョンの合計数 |
コンバージョン率 | コンバージョンの割合 |
トランザクション数 | サイトでの合計購入数 |
eコマースのコンバージョン率 | eコマーストランザクションにつながったセッションの割合 |
収益 | 総収益 |
平均注文額 | 平均売上金額 |
数量 | 売れた商品の数 |
ページビュー数 | 閲覧されたページの合計数 |
ページ別訪問数 | 指定したページが1回以上閲覧されたセッションの数 |
平均ページ滞在時間 | ユーザーがページやスクリーンを閲覧した平均時間 |
閲覧開始数 | 指定したページをユーザーが最初に閲覧した回数
ランディングページともいう |
離脱率 | サイト内の指定したページからユーザーが離脱した回数の割合 |
検索回数の合計 | ユーザーがサイトを検索した回数 |
合計イベント数 | イベントが発生した回数 |
ユニークイベント数 | イベントが発生したセッション数 |
ディメンションで決めた軸のうち「どのようなデータを見るか」を決めるのが上記の指標です。
より詳細なデータを収集・分析し、コンバージョン向上を目指しましょう。
自由な解析が可能な「カスタムディメンション」
「カスタムディメンション」とは、解析したいデータをユーザーが自由に設定できるというGoogleアナリティクスの機能です。標準には存在しないディメンションを定義できるため、独自の情報でデータ解析できます。
何をカスタムするかは「何のデータをみたいのか」によって決まります。
【追加するディメンションの例】
- 組織名
- 従業員数
- 上場区分
- 資本金
- 売上金
カスタムディメンションは、通常のGoogleアナリティクスなら最大20個まで設定できます。
Googleアナリティクスプレミアムに登録すると、最大200個まで設定できるため、より精密で詳細なデータを確認したい場合はアップグレードするとよいでしょう。
「どのディメンションでデータを分けるか」を考えよう
ディメンションは「〜〜別で、◯◯のデータを見たい」というときの「〜〜別で」の部分を指します。「◯◯のデータを」は、指標を指しますので同時に覚えておきましょう。
しかしディメンションの定義がわかっても、活用できなければ意味がありません。
今回ご紹介した、
- 代表的なディメンションの例
- 代表的な指標の例
を参考に、より詳細なデータ解析に役立ててください。「何を軸にして、どのようなデータを見たいのか」を考えてディメンションを設定する必要があります。
Googleアナリティクスを利用すれば、Webサイト・ECサイトの弱点の発見と、改善につながります。無料で利用できるので、ぜひWeb担当者の方は登録してみてくださいね。