マーケティング施策16選|自社に合った選び方と成果が出ない時のチェックポイント | KURO HOLDINGS株式会社

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2026/10/01

マーケティング施策16選|自社に合った選び方と成果が出ない時のチェックポイント

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「マーケティング施策って、結局どんなものがあるの?」「SNSも広告もSEOもあるけれど、うちはどれから手をつければいいのか」。販促や集客を任されたばかりの方ほど、選択肢の多さに迷いやすいものです。

この記事では、代表的な16の施策を「お客様にどうなってほしいか」という目的別に整理し、その中から自社に合うものを選び切るまでの考え方をまとめました。

マーケティング施策とは?戦略との違い

マーケティング施策とは、商品やサービスを必要としている人に届け、選んでもらうために行う具体的な取り組みのことです。SNSへの投稿、Web広告の配信、展示会への出展、メールマガジンの配信などは、いずれも「施策」にあたります。

 

似た言葉に「戦略」があります。使い分けは次のように整理しておくと迷いにくくなります。

戦略

誰に、どんな価値を、どう届けるかという全体の方針(例:地元でリフォーム会社を探している人に広告を届ける)

施策

戦略を実現するために行う手段や型(例:リスティング広告)

 

押さえておきたいのは、施策は戦略の下にあるという順番です。どの施策が優れているかは、施策単体では決まりません。「誰に、何を届けたいのか」が決まって初めて、選ぶべき施策が見えてきます。

マーケティング施策16選|目的別の一覧

施策は「オンライン/オフライン」で分けて紹介されることが多いですが、自社で選ぶときに役立つのは、お客様にどうなってほしいかという目的で分ける考え方です。ここでは16の施策を、次の3つの目的に分けました。

1. まず存在を知ってもらいたい

社名や商品名が、まだほとんど知られていない場合

2. 探している人に見つけてもらい、比べたときに選ばれたい

ある程度は知られているが、問い合わせや購入に結びつかない場合

3. 一度きりで終わらせず、また選んでほしい

新規のお客様は来るが、リピートや紹介が少ない場合

 

各施策には、成果が見え始めるまでの目安と、費用のかかり方を添えました。金額は執筆時点の一般的な目安で、依頼先や規模によって大きく変わります。実際の料金は、各サービスの公式サイトや見積もりで確認してください。

1. まず存在を知ってもらいたいときの施策

社名や商品名で検索されることがほとんどない段階では、「探している人」がまだいません。こちらから、まだ探していない人の目に触れる場所へ出ていく施策が中心になります。

SNS運用

X(旧Twitter)やInstagram、TikTokなどで自社のアカウントを運用し、継続的に情報を発信する施策です。写真や動画で良さが伝わる商品を、身近に感じてもらいたい方に向いています。

  • 成果が見え始めるまで:数か月〜
  • 費用のかかり方:主に投稿を作る人の時間。運用を外注する場合は委託費(月額10万円程度〜)

強み:無料で始められ、フォローしてくれた人と長く接点を持てます。商品の使い方や作り手の様子など、広告では伝えにくい雰囲気まで届けられます。

 

注意点:投稿を続ける手間が大きく、成果が見えるまで時間がかかります。不用意な投稿が炎上につながるおそれもあるため、発信ルールを決めてから始めるのが安全です。

SNS広告・ディスプレイ広告

SNSのタイムラインや、Webサイト・アプリの広告枠に、画像や動画の広告を表示する施策です。地域や年齢を絞って、早く知ってもらいたい方に向いています。

  • 成果が見え始めるまで:配信開始から数日〜
  • 費用のかかり方:広告費(予算は自社で設定でき、少額から始められる)。運用を代行会社に任せる場合は、広告費の20%前後の手数料が一般的

強み:まだ探していない人に、短期間で広く表示できます。地域・年齢・興味関心などで配信先を絞れ、反応を見ながら予算を調整できます。

 

注意点:見ているのはまだ商品を探していない人なので、すぐの問い合わせや購入にはつながりにくい傾向があります。同じ広告を出し続けると反応が落ちるため、画像や文言の差し替えも必要です。

 

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プレスリリース

新商品や新サービス、新しい取り組みなどを、報道機関に向けて公式に発表する施策です。話題にできる出来事がある方に向いています。

  • 成果が見え始めるまで:配信直後〜数週間
  • 費用のかかり方:配信サービスの利用料(1回あたり3万円前後のサービスが多い)と、原稿を作る手間

強み:メディアに取り上げられれば、広告では得られない第三者からの信頼につながります。配信サービスを使うと、多くのメディアにまとめて届けられます。

 

注意点:掲載されるかどうかはメディア側の判断で、保証はありません。「新しさ」や「社会との関わり」など、ニュースとして扱える切り口が必要です。

インフルエンサーへのPR依頼

SNSで多くのフォロワーを持つ発信者に、自社の商品やサービスを紹介してもらう施策です。若い世代や趣味の層に、一気に広めたい方に向いています。

  • 成果が見え始めるまで:投稿直後〜
  • 費用のかかり方:依頼費(フォロワー1人あたり2〜4円程度が目安。フォロワー5万人なら10万〜20万円程度)と商品の提供

強み:発信者への信頼を借りる形で、そのファン層に届きます。広告よりも受け入れられやすい場合があります。

 

注意点:発信者のファン層と自社のお客様がずれていると、話題になっても売上につながりません。また、2023年10月からは、広告であることを隠した宣伝(いわゆるステルスマーケティング)が景品表示法の規制対象になっています。規制の対象になるのは、依頼した側の事業者です。依頼した投稿には「広告」「PR」など、広告であることが分かる表示を入れてもらう必要があります。具体的な基準は、消費者庁が公開している最新の情報で確認してください。

マス広告・交通広告・屋外広告

テレビ・ラジオ・新聞・雑誌への広告や、駅・電車内・街頭の看板などに出す広告です。予算に余裕があり、幅広い層に一度に知らせたい方に向いています。

  • 成果が見え始めるまで:掲載期間中〜
  • 費用のかかり方:掲載料・放映料と制作費。テレビCMは制作費だけで数十万〜数百万円かかり、放映料は別にかかる。交通広告・屋外広告は場所と期間で大きく変わる

強み:短期間で地域・全国規模の幅広い層に知らせることができ、インターネットをあまり使わない層にも届きます。

 

注意点:費用が大きくなりやすく、誰が見て行動したのかを測りにくい施策です。QRコードや「〇〇で検索」といった誘導を入れ、Web上の反応とつなげて効果を確かめる工夫が欠かせません。

展示会・イベント出展

業界の展示会や地域のイベントにブースを出し、来場者と直接話す施策です。法人向けの商材で、直接話して良さを伝えたい方に向いています。

  • 成果が見え始めるまで:開催当日〜
  • 費用のかかり方:出展料、ブースの制作費、当日の人員。大型の展示会では総額で数百万〜1,000万円程度になることもある

強み:数日のうちに多くの見込み客と対面で話せ、名刺や連絡先をまとめて得られます。商品を実際に見せながら説明できるのも利点です。

 

注意点:まとまった費用と手間がかかります。集めた名刺をその後フォローする段取りがないと、商談につながらないまま終わりがちです。

2. 探している人に見つけてもらい、比べたときに選ばれたいときの施策

ある程度知られていて、検索したり比較したりしている人がいる段階です。その人たちの目に確実に入り、比べられたときに選ばれる理由を用意する施策が中心になります。

SEO(検索からの集客)

GoogleやYahoo!などで検索されたときに、自社のページが上位に表示されるよう、サイトや記事を整える施策です。時間をかけてでも、長く集客できる仕組みを持ちたい方に向いています。

  • 成果が見え始めるまで:4か月〜1年
  • 費用のかかり方:記事を作る人の時間。記事制作を外注する場合は1本あたり数万円程度、戦略設計から任せるSEOコンサルティングは月額10万円程度〜

強み:上位に表示されれば、広告費をかけずに継続してアクセスを集められ、記事がそのまま自社の資産になります。

 

注意点:成果が出るまでに時間がかかります。Googleも公式に、変更に着手してから効果が得られるまで通常4か月から1年かかると案内しています。継続して記事を作る体制がないと、途中で止まってしまいやすい施策です。

 

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リスティング広告(検索広告)

検索したキーワードに連動して、検索結果の上部などに表示される広告です。すぐに問い合わせや購入を増やしたい方に向いています。

  • 成果が見え始めるまで:配信開始から数日〜
  • 費用のかかり方:主にクリックごとの広告費(予算は自社で設定できる)。運用を代行会社に任せる場合は、広告費の20%前後の手数料が一般的で、月5万円程度の最低手数料を設ける会社も多い

強み:今まさにその商品やサービスを探している人に表示できるため、問い合わせや購入に結びつきやすい施策です。Google広告の検索広告などは、主に広告がクリックされたときに費用が発生する仕組みで、配信の開始・停止もすぐにできます。

 

注意点:配信を止めるとアクセスも止まります。競合の多いキーワードほどクリックあたりの費用が高くなりやすく、狙う言葉の選び方で費用対効果が大きく変わります。

 

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Googleビジネスプロフィール

Google検索やGoogleマップに、自社の住所・営業時間・写真・口コミなどを表示させる無料のサービスです。店舗や訪問サービスで、地域のお客様に見つけてほしい方に向いています。

  • 成果が見え始めるまで:登録・更新後〜数か月
  • 費用のかかり方:無料(情報を更新する手間のみ)

強み:「地域名+業種」で探している人に、地図上で見つけてもらえます。口コミに返信することで、来店前・依頼前の安心感にもつながります。

 

注意点:対象になるのは、お客様と対面でやり取りするビジネスです。実店舗がなく訪問もしない、オンラインだけで完結するビジネスは対象外とされています。情報の更新や口コミへの返信を続ける手間もかかります。

比較サイト・ポータルサイトへの掲載

業種ごとの比較サイトや、一括見積もりサイト、予約サイトなどに自社の情報を掲載する施策です。自社サイトの集客力が弱く、すでに人が集まる場所に出たい方に向いています。

  • 成果が見え始めるまで:掲載開始〜
  • 費用のかかり方:掲載料や成果報酬。料金体系はサイトごとに大きく異なるため、各サイトの媒体資料で確認する

強み:比較検討している人が多く集まる場所に出られるため、自社サイトの集客力が弱い段階でも問い合わせを得やすくなります。

 

注意点:同じ画面に他社が並ぶため、価格で比べられやすくなります。サイトへの依存度が高まりすぎないよう、自社の集客とあわせて考えることが大切です。

導入事例・お客様の声の整備

実際に利用したお客様の事例や感想を、自社サイトや資料にまとめる施策です。見てはもらえるのに、最後に他社を選ばれてしまう方に向いています。

  • 成果が見え始めるまで:公開後〜
  • 費用のかかり方:取材や制作の手間。外注する場合は、取材込みで1本10万〜25万円程度が目安

強み:比較している人が最後に知りたい「自分と似た人がうまくいったか」に答えられるため、選ばれる決め手になりやすい施策です。

 

注意点:掲載にはお客様の許可が必要です。自社が狙いたいお客様に近い事例を選んで載せないと、「うちとは関係ない」と受け取られてしまいます。

セミナー・ウェビナー

自社の専門分野に関するセミナーを、会場やオンラインで開催する施策です。説明が必要な商材で、信頼を先に得たい方に向いています。

  • 成果が見え始めるまで:開催当日〜
  • 費用のかかり方:企画・集客・登壇の準備にかかる手間。会場で開く場合は会場費、オンラインの場合は配信ツールの利用料

強み:説明が必要な商材でも、じっくり専門性を伝えられます。参加者と直接やり取りできるため、関心の高さも把握しやすくなります。

 

注意点:参加者を集める施策が別に必要になります。開催後のフォローまで設計しておかないと、「良い話を聞いた」で終わってしまいます。

お役立ち資料(ホワイトペーパー)

業界の課題や実務のノウハウをまとめた資料を用意し、ダウンロードと引き換えに連絡先を登録してもらう施策です。法人向けの商材で、問い合わせ前の人ともつながりたい方に向いています。

  • 成果が見え始めるまで:公開後〜
  • 費用のかかり方:資料を作る手間。外注する場合は、企画からデザインまでで1本20万〜50万円程度が中心

強み:問い合わせよりも気軽に申し込めるため、まだ比較の途中にいる人の連絡先を得られます。

 

注意点:資料をダウンロードした段階では、購入や依頼の意思がまだ固まっていない人が多いのが実情です。メールでの情報提供など、その後の関係づくりとセットで考える必要があります。

3. 一度きりで終わらせず、また選んでほしいときの施策

新しいお客様は来ているのに、リピートや紹介が少ない段階です。一度つながったお客様との関係を続け、「また頼もう」「人に勧めよう」と思ってもらう施策が中心になります。

メールマガジン・LINE公式アカウント

登録してくれたお客様に、お知らせや役立つ情報を定期的に届ける施策です。一度来てくれたお客様に、また思い出してほしい方に向いています。

  • 成果が見え始めるまで:配信開始〜
  • 費用のかかり方:配信ツールの利用料と、配信内容を作る手間。LINE公式アカウントは月額0円(200通まで)・5,000円(5,000通まで)・15,000円(30,000通まで)の3プラン(税別)

強み:広告と違い、自社から直接連絡できる関係を持てるため、再来店や再購入のきっかけをつくれます。LINE公式アカウントは無料のプランから始められるため、小さく試すこともできます。

 

注意点:売り込みの連絡ばかりが続くと、配信停止やブロックにつながります。お客様にとって役立つ情報を中心に組み立てることが前提です。

紹介制度

既存のお客様が知人を紹介してくれたときに、双方へ特典を用意するなど、紹介を後押しする仕組みです。満足度は高いのに、新規のお客様が口コミで広がらない方に向いています。

  • 成果が見え始めるまで:制度開始から数か月〜
  • 費用のかかり方:紹介特典の費用(金額は自社で設計する)

強み:信頼している人からの紹介なので、初めから関係ができた状態で話を始められます。

 

注意点:そもそも満足度が高くなければ、特典をつけても紹介は増えません。特典目当ての紹介ばかりにならないよう、条件の設計にも注意が必要です。

会員・ポイント・定期購入の仕組み

会員登録やポイント、定期購入の割引などで、続けて選ぶ理由をつくる施策です。繰り返し買われる商品で、継続率を上げたい方に向いています。

  • 成果が見え始めるまで:導入から数か月〜
  • 費用のかかり方:仕組みの構築費と、特典の原資。既存のサービスを使うか、独自に開発するかで大きく変わる

強み:購入のたびに他社と比べられにくくなり、購入頻度が上がるほど売上の見通しも立てやすくなります。

 

注意点:値引きに頼りすぎると、利益が残らなくなります。一度始めるとやめにくいため、続けられる特典の範囲で設計することが大切です。

自社に合うマーケティング施策の選び方

施策は、思いつきや他社の動きで選ぶのではなく、マーケティングの基本的な考え方に沿って選ぶと迷いにくくなります。次の5つの手順で進めると、16の施策から自社が取り組むべき1〜2つまで絞り込めます。

1. ターゲットを決め、ペルソナまで具体化する

最初に決めるのは、誰に届けるかです。ここで押さえておきたいのが、「ターゲット」と「ペルソナ」の違いです。

 

  • ターゲット:年齢・性別・地域・業種など、属性で区切った顧客層(例:30代女性、従業員50名以下の製造業)
  • ペルソナ:ターゲットの中から、典型的な顧客を一人の人物として具体的に描いたもの

 

属性だけでターゲットを決めると、施策の中身が決まりません。同じ「30代女性」でも、仕事と子育てで時間がない人と、趣味にお金をかけたい人とでは、悩みも情報の集め方も、響く言葉もまったく違うためです。

ペルソナ策定に必要な要素

ペルソナを描くときは、属性に加えて次の項目まで書き出します。

 

  • 置かれている状況:どんな生活や仕事の中で、商品やサービスを必要としているか
  • ペイン:本人が自覚している悩みや不安、不便(例:浴室が寒く、段差も気になる)
  • インサイト:本人もはっきり言葉にしていない本音や、購入を左右する心の動き(例:工事で失敗したくない、頼んだ後も相談できる相手がほしい)
  • 情報の集め方:検索、SNS、知人の紹介、チラシなど、どこで情報を得ているか
  • 選ぶ決め手:価格、実績、口コミ、担当者の人柄など、最後に何で選ぶか

 

中でも重要なのがインサイトです。お客様が「安く済ませたい」と口にしていても、本当に恐れているのは「失敗すること」かもしれません。その場合、安さを打ち出す施策より、施工事例やお客様の声で安心感を示す施策の方が選ばれやすくなります。

 

ペルソナは、社内の想像だけで作ると「こうであってほしい顧客像」になりがちです。既存のお客様へのインタビュー、営業担当者が日々聞いている声、問い合わせの内容など、実際の顧客の情報をもとに描いてください。描き終えたら、「このペルソナに、自社の何を感じてもらえたら選ばれるのか」を一文にまとめておくと、後の施策選びの軸になります。

2. マーケティングファネルで、課題のある段階を特定する

マーケティングファネルとは、顧客が商品を知ってから購入し、繰り返し利用するまでの流れを段階に分けたものです。段階が進むごとに人数が減っていくため、漏斗(ファネル)の形で表されます。分け方にはいくつかの型がありますが、施策選びでは次の5段階で考えると整理しやすくなります。

 

  • 認知:商品や会社の存在を知る段階(確認する数字の例:指名検索の数、サイトへの新規訪問数)
  • 興味・関心:自分に関係がありそうだと感じ、詳しく調べる段階(例:サイトの閲覧ページ数、SNSのフォロー数)
  • 比較検討:他社と比べて、どこに頼むかを考える段階(例:料金ページや事例ページの閲覧、資料請求数)
  • 購入・問い合わせ:実際に申し込む段階(例:問い合わせ数、購入数、問い合わせ率)
  • 継続・推奨:再び利用したり、人に勧めたりする段階(例:リピート率、紹介件数)

 

16の施策を分けた3つの目的は、このファネルに対応しています。「まず存在を知ってもらいたい」は認知・興味関心、「探している人に見つけてもらい、選ばれたい」は比較検討・購入、「また選んでほしい」は継続・推奨の段階の施策です。

課題の特定方法

課題を特定するときは、各段階の数字を並べ、次の段階へ進む割合が大きく落ちている場所を探します。それがボトルネック(成果を詰まらせている箇所)です。例えば、サイトへのアクセスは十分にあるのに問い合わせが少なければ、課題は認知ではなく比較検討から問い合わせの間にあります。

 

複数の段階に課題がある場合は、ファネルの手前から手をつけるのが基本です。ただし、アクセスが十分にあるのに問い合わせ率が低い場合は例外です。認知を広げる施策に予算を足すより、比較検討の段階で選ばれない理由を先に解消した方が、同じ予算でも成果が大きくなります。なお、ファネルの形は商材によって異なります。例えば、高額な商品や法人向けのサービスほど比較検討の期間が長くなるため、その段階の施策が厚く必要になります。

3. 予算・人手・期間のリソースから候補を絞る

課題のある段階が決まったら、その段階に対応する施策の中から、自社のリソース(使える経営資源)で実行できるものに絞ります。見るのは次の3点です。

期間

半年以内に成果が必要なら、広告や既存顧客への施策が中心になります。SEOのように成果まで時間のかかる施策は、1年以上の見通しで取り組める場合の候補です。

人手

担当者が他の業務と兼任で、週に数時間しか使えない場合、SNSの毎日投稿やセミナーの定期開催は続きません。作業量の少ない施策か、外部の力を借りる前提の施策に絞ります。

予算

予算が限られる場合は、Googleビジネスプロフィールのように無料で始められるものや、少額から調整できる広告を優先します。マス広告や展示会は、まとまった予算がある場合の候補です。

4. 「やらないこと」を決め、選択と集中を行う

候補が残ったら、あえて「今はやらない施策」を決めます。マーケティングでいう選択と集中です。予算や人手を5つの施策に少しずつ配ると、どれも成果が出る水準に届かず、すべてが中途半端に終わりやすくなるためです。例えば月100万円の予算を5つの施策に20万円ずつ分けても、ある施策で成果を出すのに最低50万円が必要なら、その20万円はほとんど意味をなしません。

 

集中する施策は、多くても2つまでが目安です。やらないと決めた施策は「今は」やらないだけなので、理由とあわせて書き残しておくと、次に見直すときの判断材料になります。

5. KGI・KPIを設定してから始める

最後に、成果を何で測るかを、施策を始める前に決めておきます。ここで使うのがKGIとKPIです。

 

  • KGI(重要目標達成指標):最終的に達成したい目標の指標。問い合わせ件数、受注件数、売上、リピート率など、事業の成果に近いもの
  • KPI(重要業績評価指標):KGIの達成に向けて、施策が順調に進んでいるかを途中で確かめる指標。サイト訪問数、問い合わせ率、広告のクリック数など

 

KPIは、KGIを分解して決めるのが基本です。例えばKGIを「問い合わせ件数」とすると、問い合わせ件数=サイト訪問数×問い合わせ率(CVR)に分けられます。訪問数を増やすのか、問い合わせ率を上げるのかで、選ぶ施策もKPIも変わります。ファネルで特定したボトルネックの段階の数字を、KPIに置くのが自然です。

 

注意したいのは、KPIだけを追いかけて、KGIとのつながりを見失うことです。アクセス数やフォロワー数がKPIの目標を達成していても、問い合わせや売上が変わらなければ、施策は成果を生んでいません。あわせて「3か月後に一度見直す」など、判断する時期も決めておきましょう。

施策が成果につながらないときに見直したいこと

すでにいくつかの施策を実行しているのに成果が見えない場合、施策そのものより、その手前の考え方に原因があることが少なくありません。よくある3つの状態と、見直し方を紹介します。

「他社もやっているから」で施策を始めている

競合がSNSを始めた、新しい広告媒体が話題になっている、といった理由で施策を始めると、「なぜやるのか」「誰に何を届けるのか」が曖昧なまま作業だけが増えていきます。投稿数や記事数は増えても、自社の商品の良さと結びついていなければ、アクセスが増えるだけで問い合わせや売上は変わりません。

 

見直すときは、実施中の施策ごとに「どのペルソナに向けた施策か」「ファネルのどの段階の課題を解決するための施策か」を書き出してみてください。どちらかに答えられない施策は、目的が抜け落ちているサインです。いったん止めるか、目的を決め直してから再開しましょう。

施策の手前で、商品の良さが伝わっていない

広告やSEOでアクセスを集めても、たどり着いたページで「自分にとっての正解だ」と思えなければ、お客様は離れていきます。この状態で集客の施策を増やすと、穴の空いたバケツに水を注ぐように、予算だけが消えていきます。

 

私たちが施策の相談を受けるとき、最初に確かめるのは、広告の出し方よりも「その商品の良さが、お客様の言葉で語られているか」です。例えば失敗したときの負担が大きい買い物では、お客様は安さよりも「失敗しない確信」を求めています。そこに応えないまま広告を強化しても、成果は長続きしません。集客の施策を足す前に、ページの言葉や見せ方をお客様の不安や願いに合わせて組み直す方が、結果として近道になることが多いと感じています。

 

アクセスはあるのに問い合わせが少ない場合は、集客の予算を一時的に抑えてでも、商品ページや施工事例などの伝え方を先に見直すことを検討してください。

KPIだけを見て、良し悪しを決めている

クリック数が増えた、フォロワーが増えたといったKPIの動きは、施策がうまく動いているかを確かめる材料にはなります。しかし、KGIとのつながりを確かめないまま施策を続けるかどうかを決めると、事業の成果につながらない施策を続けてしまうことがあります。

 

数字が動いたときは、「なぜそうなったのか」をお客様の側から考えることも欠かせません。例えば、広告のクリック単価が下がったのに受注が減っている場合、広告で抱かせた期待と実際の商品がずれている可能性があります。数字(定量データ)で「どこで」止まっているかを確かめ、お客様の声や問い合わせの内容(定性情報)で「なぜ」止まっているかを確かめる。この両方がそろって初めて、次に打つ手が決まります。

自社で進めるか、外部に任せるかの分かれ目

施策が決まったら、次に迷うのが「誰が実行するか」です。どちらが正しいということはなく、施策の性質と社内の体制で判断します。

自社で進めやすいケース

Googleビジネスプロフィールの更新や、既存のお客様へのメール・LINEの配信、お客様の声の収集などは、自社の事情を一番よく知る社内の人が担う方が質が上がりやすい施策です。週に数時間でも継続して時間を確保でき、少しずつ試しながら改善していける場合は、まず自社で始めてみる価値があります。

外部の力を借りた方が早いケース

リスティング広告の運用や、SEOのための記事制作・サイト改修、事例ページの制作などは、専門的な知識や制作の手間が必要です。担当者が兼任で時間を確保できない、試行錯誤に使える期間が短い、社内に判断できる人がいない、といった場合は、外部に任せた方が早く成果に近づけることがあります。

 

ただし、外部に任せる場合も「作業を丸ごと渡す」だけでは成果は出にくくなります。

 

うまくいくプロジェクトに共通していたのは、依頼する側と受ける側が、施策の作業ではなく「事業として何を実現したいか」と「今の数字」を共有できていたことでした。目的と事実が共有されていれば、受ける側から「今はその施策より先に、こちらを直しましょう」と提案することもできます。

 

依頼先を探すときは、施策の実行だけでなく、目的や数字の確認から一緒に考えてくれるかどうかを、最初の打ち合わせで確かめてみてください。

まとめ|施策はペルソナとファネルで選び、やらないことを決める

マーケティング施策は、SNSや広告、SEOから展示会、紹介制度まで数多くあります。ただ、どれが優れているかは施策単体では決まりません。ペルソナとファネル上の課題、そして自社が使える予算・人手・期間の組み合わせで決まります。

 

選択肢の多さに迷ったときは、16の施策を眺めるより先に、既存のお客様数人に「なぜうちを選んだのか」を聞くところから始めてみてください。そこで得られるペインやインサイトがペルソナの土台になり、残すべき施策と、今はやらない施策の輪郭が見えてくるはずです。自社の状況を整理するところから相談したい場合は、今の数字と、うまくいっていないと感じる点をメモにまとめておくと、話が早く進みます。

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