リスティング広告のやり方は?配信までの流れと必要な準備 | KURO HOLDINGS株式会社

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2026/10/07

リスティング広告のやり方は?配信までの流れと必要な準備

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「リスティング広告を始めることになったけれど、何から手をつければいいのか分からない」「設定画面で日予算を聞かれても、いくら入れればいいのか見当がつかない」。初めて担当する方の多くが、最初につまずくのはこの2点です。

管理画面の操作そのものは、画面の案内に沿えば難しくありません。差がつくのは、画面を開く前に「1件の問い合わせにいくらまで払えるか」を決めているかどうかと、配信を始めた後に何をどの順番で確かめるかです。この記事では、Google広告を例に、出稿前の準備から配信後1か月の見直しまでを順に整理します。

目次

リスティング広告を始める前に押さえておきたい仕組み

リスティング広告の掲載イメージ

リスティング広告は「検索した人に表示され、クリックされたときに費用がかかる広告」で、掲載順位は入札額と広告の質の組み合わせで決まります。設定作業の意味を理解するために、最低限この3点を押さえておきましょう。

検索した人に表示され、クリックされたときに費用がかかる

リスティング広告(検索連動型広告)は、GoogleやYahoo! JAPANで検索したときに、検索結果の上部や下部に「スポンサー」と表示されて出てくる広告です。登録したキーワードに関連する検索があったときにだけ表示されるため、いま探している人に届けやすいのが特徴です。

 

費用はクリック課金(CPC:Cost Per Click、1クリックあたりの費用)が基本で、表示されただけでは費用はかかりません。1クリックの単価は固定ではなく、キーワードの競争状況によって数十円から数千円まで幅があります。予算の金額は自社で決められるため少額からでも始められますが、少なすぎると、良し悪しを判断できるだけのクリック数が集まらない点には注意が必要です。

掲載順位は入札額だけでは決まらない

同じキーワードに複数の広告主が出稿している場合、検索のたびにオークションが行われ、「広告ランク」の高い順に広告が並びます。広告ランクは、入札単価に加えて、広告とリンク先ページの品質、検索した人の状況(地域・端末・時間帯など)、サイトリンクなど追加情報の見込み効果などを総合して決まります。

 

つまり、入札額を上げ続けなくても、検索した人の意図に合った広告文とページを用意することで、同じ順位をより安いクリック単価で取れる可能性があります。

設定は4つの階層に分かれている

Google広告の設定は、次の4階層の入れ子になっています。どの設定をどの階層で行うかを知っておくと、設定画面で迷いにくくなります。

 

  • アカウント:支払い情報やログインを管理する最上位の単位。会社やサイトごとに1つが基本です
  • キャンペーン:予算・配信地域・入札戦略を決める単位。予算を分けて管理したい商品やサービスごとに作ります
  • 広告グループ:意味の近いキーワードと、それに合わせた広告文をまとめる単位です
  • キーワード・広告:実際に登録する検索語句と広告文です

 

最初は「キャンペーン1つ、広告グループ2〜3個」程度の小さな構成から始めるのがおすすめです。細かく分けすぎると、1つあたりのデータが少なくなり、どれが良いのかを判断できない状態が長く続くためです。

 

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広告出稿前に決めておくこと

出稿前に決めておきたいのは、「1件の成果にいくらまで払えるか」「月にいくら使うか」という2つの予算と、成果を数える仕組みです。これがないまま配信を始めると、1か月後に「この結果は良かったのか、悪かったのか」を誰も判断できなくなります。

1件の問い合わせにかけられる上限額(許容CPA)を出す

CPA(Cost Per Acquisition)は、問い合わせや購入など1件の成果(コンバージョン)を得るのにかかった広告費です。その上限、つまり「これ以上かけると赤字になる額」を許容CPAと呼びます。問い合わせの獲得が目的なら、次の式で目安を出せます。

 

許容CPA = 受注1件あたりの粗利 × 問い合わせから受注に至る割合(成約率)

 

たとえば受注1件の粗利が20万円で、問い合わせ4件のうち1件が受注に至る(成約率25%)なら、許容CPAは5万円です。問い合わせ1件に5万円以上かけると、広告経由の受注だけでは赤字になる計算です。実際には利益を残したいので、目標にするCPAはこれより低く置きます。ECサイトで商品を販売する場合は、商品1件あたりの粗利がそのまま上限の目安になります。

 

成約率が分からない場合は、過去の問い合わせ件数と受注件数を営業担当に確認するのが近道です。正確な数字でなくても、「10件に1件なのか、3件に1件なのか」が分かるだけで、許容CPAの桁が変わります。

月の予算を決める

予算は「いくらなら出せるか」だけで決めるのではなく、許容CPAとクリック単価の見込みから決めます。クリック単価の見込みは、Google広告の無料ツール「キーワードプランナー」で、狙いたいキーワードの入札単価の目安を調べるとつかめます。

 

以下は、仮の条件を置いて計算した一例です。数字はあくまで例なので、自社の値に置き換えて使ってください。

 

  • 想定クリック単価:250円(キーワードプランナーで調べた値と仮定)
  • 広告をクリックした人のうち問い合わせする割合(コンバージョン率):2%
  • 成約率:25%
  • 許容CPA:5万円(粗利20万円×成約率25%)

試算①:月10万円で何件の問い合わせが見込めるか

項目 計算 結果
月の予算 ― 100,000円
クリック数 100,000円 ÷ 250円 400回
問い合わせ件数 400回 × 2% 8件
CPA 100,000円 ÷ 8件 12,500円
受注件数 8件 × 25% 2件
設定画面に入力する1日の平均予算 100,000円 ÷ 30.4日 約3,290円

 

CPAは12,500円で、許容CPAの5万円を下回ります。この条件なら、月10万円は「赤字にならない範囲で試せる予算」と判断できます。広告費10万円に対して、受注2件・粗利40万円が見込める計算です。

試算②:月10件の問い合わせを取るにはいくら必要か

項目 計算 結果
目標の問い合わせ件数 ― 10件
必要なクリック数 10件 ÷ 2% 500回
必要な月の予算 500回 × 250円 125,000円
設定画面に入力する1日の平均予算 125,000円 ÷ 30.4日 約4,110円

 

どちらの計算も、クリック単価とコンバージョン率が変われば結果が大きく動きます。たとえばクリック単価が500円の業種なら、同じ10件に必要な予算は25万円と倍になります。また、配信を始めたばかりの時期はキーワードや広告文が絞り込めていない分、コンバージョン率が想定より低く出ることも珍しくありません。

 

最初の1〜2か月は「この予算で何件取れるか」よりも「実際のクリック単価とコンバージョン率がいくつなのか」を確かめる期間と考え、試算の数字は配信後の実績で置き換えていきます。

 

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成果を数えるためのコンバージョン計測を準備する

コンバージョン計測は、広告経由で何件の問い合わせや購入があったかをGoogle広告に記録させる設定です。計測していなくても広告は配信できますが、その場合はどのキーワードが成果につながったのかが分からず、コンバージョンを目標にした自動入札も使えません。

 

基本的には、問い合わせ完了後に表示されるページ(サンクスページ)にGoogleのタグを設置し、そのページが表示されたら1件と数える方法を使います。サイトの編集権限が自社にない場合は、制作会社やサイトの管理者に作業を依頼する必要があるため、配信予定日の1〜2週間前には相談しておくと安心です。電話での問い合わせが多い業種は、電話の計測方法もあわせて確認しておきましょう。

 

設定後は自分でテスト送信を1回行い、管理画面に計測が反映されるかを必ず確認します。タグが正しく動いているかの確認には、Googleが提供する「Tag Assistant」も使えます。

広告の行き先になるページ(LP)を確認する

広告をクリックした人が最初に見るページ(LP)の内容が、広告文や検索キーワードとずれていると、クリックされても問い合わせにつながりません。出稿前に、次の3点だけは確認しておきましょう。

 

  • 検索した言葉への答えが、ページの最初の画面に書かれているか:「〇〇 料金」で検索した人に料金が見つからないページは、すぐに離脱されやすくなります
  • 広告文で約束したことが、ページにも書かれているか:「初回無料」と広告に書くなら、ページにも同じ条件を明記します
  • 問い合わせフォームまで迷わずたどり着けるか:スマートフォンで実際に操作して確認します

Google広告でリスティング広告を出す手順

準備が整ったら、Google広告の管理画面で設定を進めます。手順は次の8つです。画面の名称や配置は変更されることがあるため、表記が異なる場合は画面の案内やGoogle広告ヘルプもあわせて確認してください。

1. Google広告のアカウントを作成する

Google広告の公式サイトから、Googleアカウントでログインしてアカウントを作成し、ビジネス名・サイトのURL・支払い情報(クレジットカードなど)を登録します。担当者個人のGoogleアカウントではなく、会社で管理するアカウントで作成しておくと、担当者が変わったときや外部に運用を任せるときに引き継ぎがしやすくなります。

 

作成の途中で、設定項目の少ない簡易版のキャンペーン作成画面に案内されることがあります。キーワードや入札を自分で細かく決めたい場合は、画面内の「エキスパートモードに切り替える」などの案内から、詳細な設定ができる画面に切り替えて進めます。

2. 検索キャンペーンを作成する

新しいキャンペーンを作成し、目標(「見込み顧客の獲得」「販売促進」など)を選んだうえで、キャンペーンタイプは「検索」を選びます。リスティング広告は、この「検索」キャンペーンのことを指します。続いて、次の項目を設定します。

 

  • 配信地域:商圏が決まっている業種は、対応エリアだけに絞ります。地域の設定には「その地域にいる人」と「その地域に関心を示している人」を含める選択肢があるため、来店型の業種は前者に絞るのが基本です
  • 言語:日本語で検索するユーザーに配信する場合は「日本語」を選びます
  • ネットワーク:「ディスプレイ ネットワーク」を含める設定になっていると、検索結果以外のWebサイトにも広告が表示されます。まずは検索結果だけに出したい場合はチェックを外します

3. 入札戦略を選ぶ

入札戦略の一覧表

入札戦略は、1クリックにいくらまで払うかをどう決めるかの設定です。コンバージョン計測の準備状況と、たまっているデータの量で選びます。

 

入札戦略 仕組み こんな状態の方向け
クリック数の最大化 予算内でクリック数が最も多くなるよう自動で調整 まずクリック単価の実態をつかみたい方
コンバージョン数の最大化 予算内でコンバージョン数が最も多くなるよう自動で調整(目標CPAの指定も可能) 計測が整っていて、成果の件数を基準に運用したい方
個別クリック単価(手動) キーワードごとに上限単価を自分で設定 予算が少なく、特定のキーワードの単価を細かく管理したい方

 

「クリック数の最大化」を使う場合は、上限クリック単価も設定しておくと、想定外に高い単価でクリックされるのを防げます。目標CPAを指定する場合は、許容CPAではなく、配信後に分かった実績に近い値から始めるのが安全です。目標を厳しく置きすぎると、広告がほとんど表示されなくなることがあるためです。

4. 1日の平均予算を入力する

予算はキャンペーンごとに「1日の平均予算」として入力します。月の予算を30.4(1か月の平均日数)で割った値を入れると、月の上限がほぼ想定どおりになります。月10万円なら約3,290円です。

 

注意したいのは、毎日の費用が入力した額どおりにはならない点です。Googleは検索が多い日などに予算を多めに使うため、ほとんどのキャンペーンでは、ある日の費用が1日の平均予算の最大2倍になることがあります。

 

その代わり、1か月の費用は1日の平均予算の30.4倍を超えない仕組みです。配信初日に予算の2倍近く使われていても設定ミスとは限らないため、日ごとではなく週・月の単位で消化額を確認しましょう。

5. 広告グループを作り、キーワードを登録する

広告グループは、検索した人の目的が同じキーワードごとに作ります。たとえば税理士事務所なら、「税理士 料金」「税理士 費用 相場」のように料金を知りたい人の検索と、「確定申告 代行」のように依頼内容が決まっている人の検索は、広告グループを分けた方がそれぞれに合った広告文を出せます。

 

最初に登録するキーワードは、商品・サービス名に「料金」「依頼」「地域名」など、行動に近い言葉が組み合わさったものを優先します。「税理士」のような単語1語のキーワードは検索数が多い反面、情報収集だけの人も多く含まれ、限られた予算を早く使い切ってしまいがちです。

マッチタイプは「どこまで広く表示するか」で選ぶ

マッチタイプは、登録したキーワードに対して、どこまで意味の広い検索にも広告を出すかを決める設定です。Google広告には次の3種類があります。

 

マッチタイプ 登録時の書き方 広告が表示される範囲 こんな使い方をしたい方向け
完全一致 [税理士 料金] 同じ意味・同じ意図の検索 予算が少なく、確実に狙いたい語句だけに出したい方
フレーズ一致 “税理士 料金” キーワードの意味を含む検索 狙いは保ちつつ、言い回しの違いも拾いたい方
インテント マッチ(旧:部分一致) 税理士 料金(記号なし) キーワードに関連する幅広い検索 計測が整い、検索語句を見て除外を続けられる方

 

見落としやすいのは、記号を付けずに登録するとインテント マッチとして扱われる点です。インテント マッチは表示される範囲が最も広く、関連性の低い検索にも広告が出やすくなります。月数万〜十数万円の予算で始める場合は、まず完全一致とフレーズ一致を中心に登録し、成果が出ている語句から広げていく方が、予算を無駄にしにくい進め方です。

 

一方でGoogleは、インテント マッチをコンバージョンを目標にした自動入札と組み合わせる使い方を推奨しており、計測とデータがそろってきた段階で試す価値はあります。

除外キーワードを最初から登録しておく

除外キーワードは、「この言葉を含む検索には広告を出さない」という設定です。配信前の段階でも、明らかに顧客にならない人の検索はある程度予想できます。

 

  • 求人・転職を探している人の検索(「求人」「採用」「年収」など)
  • 無料の情報だけを探している人の検索(「無料」「自分で」「テンプレート」など。無料相談を受け付けている場合は「無料」を除外しない)
  • 自社が提供していないサービスや、対応していない地域の名前

 

配信を始めた後は、実際に広告が表示された検索語句を見ながら追加していきます。

 

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6. 広告文を作る

現在のGoogle広告の検索広告は、「レスポンシブ検索広告」という形式が基本です。複数の見出しと説明文を登録しておくと、検索ごとにGoogleが組み合わせを選んで表示します。

 

項目 登録できる数 文字数の上限 一度に表示される数
見出し 3〜15個 半角30文字(全角15文字) 最大3個
説明文 2〜4個 半角90文字(全角45文字) 最大2個

 

見出しは、似た表現を並べるより、訴求の切り口を変えて用意する方が組み合わせの幅が広がります。書き出しに迷う場合は、次の切り口から1〜2本ずつ作ると、10本前後は無理なくそろいます。

 

  • 検索された言葉をそのまま含む見出し(例:「税理士の料金を明記」)
  • 具体的な数字(料金、対応件数、対応までの日数など)
  • 対象を絞る言葉(「個人事業主向け」「〇〇市内対応」など)
  • 他社との違い(対応範囲、サポート体制など)
  • 次の行動を促す言葉(「無料相談受付中」「資料請求はこちら」など)

 

広告文に書いた条件は、リンク先のページにも必ず書かれている状態にします。また「No.1」「最安」などの表現は、根拠を示せない場合、広告の審査や景品表示法の観点で問題になるおそれがあるため使わないようにしましょう。

 

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7. アセット(広告に追加する情報)を設定する

アセットは、広告の下にリンクや短い説明を追加できる機能で、以前は「広告表示オプション」と呼ばれていました。広告の表示面積が広がり、検索した人が自分に必要な情報を見つけやすくなります。最初は次の3つを設定しておけば十分です。

 

  • サイトリンク:料金ページ・事例ページなど、サイト内の別ページへのリンクを追加します
  • コールアウト:「土日対応」「見積もり無料」など、短い強みを追加します
  • 電話番号:電話での問い合わせが多い業種で、広告から直接電話をかけられるようにします

 

アセットは設定しても毎回表示されるとは限らず、表示するかどうかは検索ごとに判断されます。

8. 審査を待ち、配信を開始する

入稿した広告は、Googleの広告ポリシーに沿っているかの審査を受けます。ほとんどの広告は1営業日以内に審査されますが、内容によっては時間がかかることもあります。医療や金融など一部の業種では追加の確認が必要になる場合があるため、配信を始めたい日に間に合うよう、余裕を持って入稿しておきましょう。

 

不承認になった場合は、管理画面に表示される理由を確認して修正し、再審査を受けます。

Yahoo!広告にも出す場合

Yahoo! JAPANの検索結果に広告を出す場合は、Google広告とは別にYahoo!広告のアカウント(Yahoo! JAPANビジネスID)が必要です。キャンペーン・広告グループ・キーワード・広告という構造や、予算・キーワード・広告文を設定する流れはGoogle広告とほぼ共通です。予算が限られている場合は、まずGoogle広告で実際のクリック単価やコンバージョン率を確かめてから、Yahoo!広告に広げる順番でも問題ありません。

配信を始めてから1か月で確認すること

配信の開始はゴールではなく、試算で置いた仮の数字を、実際の数字に置き換えていく作業の始まりです。確認する内容は時期によって変わります。

配信開始から数日以内:設定どおりに動いているかを確認する

  • 広告が表示されているか:表示回数が0のままなら、審査の状況・予算・入札単価・配信地域の設定を確認します
  • コンバージョンが計測されているか:テスト送信を行い、管理画面に反映されるかを改めて確認します
  • 予算が想定どおりのペースで使われているか:極端に多い・少ない場合は、入札戦略や上限クリック単価、キーワードのマッチタイプを見直します

 

自分で何度も検索して広告が出るかを確かめると、表示回数だけが増えてクリックされないため、データが実態とずれる原因になります。表示の確認には、管理画面の「広告プレビューと診断」ツールを使いましょう。

1〜2週目:検索語句を見て除外キーワードを足す

管理画面の「検索語句」レポートでは、実際にどんな言葉で検索した人に広告が表示され、クリックされたかを確認できます。この時期に最も効果のある作業は、ここで見つかった「顧客にならない検索」を除外キーワードに追加していくことです。

 

週に1回、クリックされた検索語句を上から見て、「この検索をした人が問い合わせをする可能性はあるか」を1件ずつ判断します。反対に、登録していないのに成果が出ている検索語句があれば、キーワードとして追加します。

成果が出ないときは「表示→クリック→問い合わせ」の順に詰まりを探す

問い合わせが来ないときに、いきなり広告文やページを作り直すのは得策ではありません。広告は「表示される→クリックされる→問い合わせにつながる」の3段階を経て成果になるため、どの段階で止まっているかを先に特定します。

表示回数が少ない

広告を見てもらう前の段階で止まっています。主な原因は次のいずれかです。

 

  • 入札単価や予算が、競合に比べて低すぎる
  • 登録したキーワードの検索数がそもそも少ない
  • 配信地域・時間帯・マッチタイプで絞り込みすぎている

 

管理画面の「インプレッション シェア」(表示される可能性があった回数のうち、実際に表示された割合)と、表示されなかった理由(予算不足か、広告ランク不足か)を見ると、どれが原因かを切り分けやすくなります。

表示されるがクリックされない

広告文が検索した人の目的に合っていないか、意図のずれた検索に表示されている可能性があります。まず検索語句レポートで、表示されている検索が狙いどおりかを確認し、狙いどおりであれば広告文の見直しに進みます。

 

クリック率の良し悪しは業種やキーワードで大きく異なるため、他社の平均値と比べるよりも、自社の広告グループ同士・キーワード同士で比べて、低いものから手を入れる方が判断を誤りにくくなります。

クリックされるが問い合わせにならない

クリックの先にあるページか、クリックしている人の検索意図に原因があります。ここで判断を急ぎやすいのが、「クリックは何十回もあるのに問い合わせが0件だから失敗だ」というケースです。問い合わせ0件が本当に問題なのかは、次の計算で確かめられます。

 

本来見込める件数 = クリック数 × 想定コンバージョン率

 

以下は、想定コンバージョン率を2%と仮定した場合の判定例です(問い合わせが一定の確率で起きると考えたときの目安です)。

 

配信開始からの状況 本来見込める件数 偶然0件になる確率 判定
クリック60回・問い合わせ0件 60回 × 2% = 1.2件 約30% まだ判断できない
クリック150回・問い合わせ0件 150回 × 2% = 3件 約5% 原因を探す段階

 

見込める件数が3件ほどに達しても0件のままなら、偶然とは考えにくくなります。クリック単価が250円なら、150回で37,500円です。この金額に届くまでは広告を止める判断を保留し、その間に検索語句の除外を進めておくと、判定のときに「ずれた検索のせいで成果が出なかった」という可能性を減らせます。

 

見込める件数を超えても成果が出ない場合は、リンク先のページを確認します。検索した言葉への答えがページの最初に書かれているか、フォームの入力項目が多すぎないかを見直すのが先です。

1か月が過ぎたら:試算を実績に置き換える

1か月分のデータがたまったら、試算で置いた仮の数字を実績に置き換えて、予算と入札戦略を見直します。

 

  • 実際のクリック単価とコンバージョン率で試算をやり直す:目標の件数を取るのに必要な予算が、想定より増えるのか減るのかを確認します
  • 実際のCPAを許容CPAと比べる:許容CPAを大きく超えている場合は、予算を増やす前に、キーワードの絞り込みとページの改善を優先します
  • 入札戦略を切り替えるか判断する:コンバージョンが継続して計測できるようになっていれば、「コンバージョン数の最大化」への切り替えを検討します

 

自動入札に切り替えた直後は、新しい設定に合わせて調整が行われる期間があり、成果が一時的に不安定になることがあります。切り替えてから数日で判断せず、少なくとも1〜2週間は様子を見るのが目安です。

広告の数字だけで判断しないために

ここまでの確認を続けると、CPAやクリック率は少しずつ改善していきます。ただし、広告の数字が良くなることと、事業として成果が出ていることは同じではありません。運用に慣れてきた段階で見落としやすい点が2つあります。

CPAを下げることだけを目標にしない

CPAは分かりやすい指標なので、下げること自体が目的になりがちです。しかし、「今だけ半額」「誰でも簡単」のように問い合わせのハードルを下げる表現を使えば、CPAは下がっても、受注につながらない問い合わせが増えることがあります。

 

月に1回は営業部門と、広告経由の問い合わせのうち何件が受注になったかを確認し、「1件の受注にいくらかかったか」で見る習慣をつけると、広告の数字と事業の成果が離れていくのを防げます。

広告を変えても解決しない問題がある

クリックは十分に集まっているのに問い合わせが増えない場合、原因が広告ではなく、サービスの見せ方や料金の伝え方など、ページや商品の側にあることも少なくありません。この状態で広告文の差し替えや入札の調整を繰り返しても、広告費が増えるだけになりがちです。

 

「広告の獲得単価が上がってきたので運用を見直したい」というご相談をいただくことがあります。データを確認すると、広告からの流入は十分にある一方で、ページを訪れた人に商品の価値が伝わり切っていない、というケースも珍しくありません。私たちはその場合、広告の細かな調整よりも先に、検索した人が何を知りたくてページに来ているのかを整理し直すことから始めます。

 

広告は、商品と探している人をつなぐ入り口の一つです。入り口の数字だけでなく、その先で何が起きているかまで見て判断することが、限られた予算を活かす近道だと考えています。

自社で運用を続けるか、外部に任せるか

ここまでの作業を自社で続けられるかどうかは、知識よりも「毎週、決まった時間を確保できるか」で決まります。目安として、配信初月は検索語句の確認や設定の調整に週3〜5時間程度、安定してからも週1〜2時間は数字の確認と除外キーワードの追加に使う前提で考えておくと、無理のない計画が立てられます。

自社で運用するのが合っている場合

担当者が毎週の確認時間を確保でき、月の広告費が比較的小さい場合は、自社での運用が合っています。

 

  • メリット:外部への手数料がかからず、検索語句や顧客の反応から得た気づきが社内に残ります。商品や顧客を一番よく知る人が、直接広告文を書ける点も強みです
  • デメリット:担当者の学習と作業に時間がかかり、兼任だと確認が後回しになって成果が停滞しやすくなります。判断を相談できる相手がいないと、改善の手が止まりがちです

外部に任せた方がよい場合

毎週の確認時間を社内で確保できない場合や、複数の広告媒体を並行して運用したい場合は、外部への依頼を検討する価値があります。

 

  • メリット:他社での運用経験をもとにした設定や改善の提案を受けられ、立ち上げを早く進められます。依頼先によっては、ページの改善など広告以外の課題まで相談できます
  • デメリット:運用手数料がかかります(広告費の20%前後に設定している会社が多くみられます)。月の広告費が小さいと、手数料を含めた費用対効果が合いにくくなります

任せる場合も、自社で持っておくべきもの

外部に依頼する場合でも、次の2つは自社で持っておくことをおすすめします。

 

  • 広告アカウントの管理権限:依頼先が作成したアカウントで運用すると、契約終了時にそれまでのデータを引き継げないことがあります。自社でアカウントを作成し、依頼先に権限を付与する形にしておくと安心です
  • 何を成果とするかの定義と許容CPA:成果の定義と「いくらまで払えるか」を自社で決めておくと、依頼先からの報告を、広告の数字ではなく事業の数字で評価できます

 

この2つを手元に置いておけば、自社運用から外部への依頼に切り替える場合も、その逆の場合も、それまでの運用データと判断の基準を失わずに済みます。

リスティング広告を始める前によく聞かれる質問

少ない予算で始めるときのコツはありますか?

予算が少ないほど、配信する範囲を絞ることが大切です。配信地域を対応エリアに限る、問い合わせが多い曜日・時間帯に絞る、完全一致とフレーズ一致の行動に近いキーワードだけで始める、といった絞り込みを組み合わせると、限られたクリックを顧客になりやすい人に集中させられます。そのうえで、成果を判断できるだけのクリック数(想定コンバージョン率2%なら150回程度)に、1〜2か月で届く予算かどうかを確認しておきましょう。

配信を止めるとどうなりますか?

キャンペーンを一時停止すると、その時点で広告は表示されなくなり、費用もかからなくなります。同時に広告からの流入も止まります。キーワードや広告文、それまでのデータはアカウントに残るため、再開すれば同じ設定で配信を再開できます。繁忙期だけ配信する、予算を見直す間だけ止める、といった使い方ができるのもリスティング広告の特徴です。

SEO対策とどちらを優先すべきですか?

両者は役割が異なります。リスティング広告は配信を始めればすぐに検索結果に表示される一方、費用をかけ続けている間しか効果がありません。SEO対策は検索結果の上位に表示されるまでに時間がかかりますが、上位に表示されれば広告費をかけずに流入が続きます。すぐに問い合わせを増やしたい場合はリスティング広告を先に始め、広告で成果の出たキーワードをSEO対策の記事テーマに活かす、という組み合わせ方も有効です。

まとめ

リスティング広告のやり方は、手順だけを見れば、アカウントを作り、キーワードと広告文を登録して配信するという流れです。成果を分けるのは、配信の前に許容CPAと予算の根拠を持っているか、そして配信後に「表示→クリック→問い合わせ」のどこで止まっているかを順番に確かめられるかどうかです。

 

まずは、受注1件あたりの粗利と成約率を社内で確認し、許容CPAを一つの数字にしてみてください。その数字があれば、日予算の入力欄で迷うことはなくなり、1か月後の結果を「良かったのか、悪かったのか」で判断できるようになります。

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