「Webサイトへの流入数は多いけれど、なかなか売上につながらない」
「どれくらいの人がサイトから離れていってしまうのか知りたい」
Webサイト運用では上記のような悩みはつきものです。そこで、Google アナリティクスでチェックできる「離脱率」について解説します。
離脱率の意味や、その数値を用いた改善方法も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
離脱率とは
「離脱率」はサイト内の複数ページを閲覧し、最終的にそのページで離脱したユーザーの割合を示す言葉です。サイト全体の中で「サイトから離れてしまうユーザーが多い(もしくは少ない)ページはどこか」が数値で確認できます。
計算式は以下の通りです。
ページの離脱率 = そのページの離脱数 ÷ そのページのページビュー数 × 100 |
例を見てみましょう。
サイト内での動き | |||||||
ユーザー1 | 着地:ページA | → | ページB | → | ページC | → | 離脱 |
ユーザー2 | 着地:ページB | ページA | ページC | 離脱 | |||
ユーザー3 | 着地:ページC | ページA | 離脱 |
上記の条件だと、ページAを最後に閲覧して離脱した人は1人です。
離脱率を分析すればユーザーの行動心理がわかり、ページの改善によって精度を上げることも可能です。Googleアナリティクスを用いれば無料で確認できるので、ぜひチェックしておきましょう。
直帰率との違い
「直帰率」とはユーザーがサイトを訪れ、着地した1ページだけを見てサイトから離脱した割合のことをいいます。
直帰率が高い場合は、ユーザーが「期待はずれだ」と感じた結果サイトを離れたケースが多いため、すぐに改善が必要です。
サイト内での動き | ||||
ユーザー1 | 着地:ページA | 離脱 | ||
ユーザー2 | 着地:ページA | ページBに移動 | 離脱 | |
ユーザー3 | 着地:ページA | ページBに移動 | ページCに移動 | 離脱 |
上記の表では、ユーザー1が「直帰」しています。
直帰率は以下のように計算され、ホームページの効果を測定するうえで大切な指標とされます。
直帰率(%) = 直帰したセッション数 ÷ 全セッション数×100 |
離脱率が高まる5つの原因
離脱率が高いページには以下の傾向があります。
- コンテンツがユーザーのニーズに沿っていない
- 文章が読みにくい
- 導線がわかりにくい
- ページの表示速度が遅い
- デバイスごとに最適化されていない
それぞれ具体的に解説します。
コンテンツがユーザーニーズに沿っていない
何らかのキーワードを検索して流入したユーザーにとって、答えになるコンテンツがないページには何の価値もありません。
たとえばカレーのレシピを知りたいのに、カレーの起源を紹介されてもニーズには沿っていないことが分かりますよね。悩みを持って検索しているユーザーに対して、最適な答えを提供できているかどうかはとても重要なポイントです。
文章が読みにくい
ユーザーは、文章が読みにくいと離脱してしまいます。
- 文章のルールが定まっていない
- 漢字ばかりで読みにくい
- ひらがなばかりで読みにくい
- 文字ばかりで読む気がなくなる
以上のような問題だらけの記事は、最後まで読んでもらえません。
導線がわかりにくい
ページを最後まで読んでもらえたとしても、次への導線がはっきりしないとユーザーは離脱してしまいます。
せっかく商品説明を読んでもらえても、購入画面にたどり着けなければ大きな機会ロスです。導線設計には十分な配慮が必要です。
ページの表示速度が遅い
ページの読み込み速度が遅い・画像がなかなか表示されない・動画の再生ができないなど、表示速度が遅いとユーザーは離脱します。
Googleが公表した調査結果によると、
- ページが完全に表示されるまでに3秒以上かかると、53%のユーザーがページを離れる
- 表示速度が1秒から7秒に落ちると、直帰率が113%にまで上昇する
というデータも出ています。
デバイスごとに最適化されていない
現代では多くのユーザーがスマートフォンでWebサイトを見ています。そのため、パソコン専用でWebサイトを設計すると、スマートフォン上で表示にずれが生じたり文字が読みにくくなったりする可能性があります。
離脱率を改善すべきページの見つけ方
離脱率が高まる原因がわかったところで、次に改善すべきページを探しましょう。離脱率を改善すべきページは2つの視点から見つけられます。
滞在時間が短いページ
Googleアナリティクスを用いて、滞在時間が短いページを見つけましょう。ユーザーへ答えを提供することが目的の記事にもかかわらず、滞在時間が短い場合は、コンテンツの改善が必要であると判断できます。
ただし、コンテンツの量が少ない場合にも滞在時間が短くなる傾向があるため、原因を見極めなくてはなりません。
コンバージョン直前のページ
コンバージョン直前のページでの離脱率を確認しましょう。もしこのページの離脱率が高ければ、コンバージョンの機会を逃してしまっていることを意味します。早急に改善策を立てましょう。
一方で、離脱率が高くても問題ないページがあります。
商品・サービス購入画面
「購入確認画面」などへ遷移する確率が高いため
フォーム送信完了画面
次に取るべき行動がないため
特定のページへの誘導を目的とした記事
ページ外へ遷移させるため
これらの離脱率の高さは気にせず、他のページのチェックを重点的に行いましょう。
離脱率を下げる8つのポイント
改善すべきページを見つけたら、改善策を立てましょう。
- コンテンツの内容を見直す
- ページの表示速度を改善する
- デザインやUIを再検討する
- 内部リンクをわかりやすく配置する
- 入力フォームを使用してみる
- 導線を設計する
- 内容に緩急をつける
- デバイスごとに最適化する
具体的な方法とともに紹介します。
コンテンツの内容を見直す
流入してきたキーワードからユーザーのニーズを読み解いて、本当に欲している情報をコンテンツとして追加しましょう。
また、上位表示したいキーワードで検索したとき、狙った通りにWebサイトが表示されているかを確認してください。キーワードとコンテンツの内容がずれている場合は、早急にコンテンツの内容修正が必要です。
ページの表示速度を改善する
Webサイトに掲載している画像やファイルのサイズが大きいと、ページの表示速度が悪化する可能性があります。
離脱率が高いページを見つけたら、まずは自分で開いて表示速度を確認しましょう。画像サイズを変更するだけでも改善するかもしれません。
その他に改善するべきポイントを探したい場合は、Googleの「PageSpeedInsight」で、具体的な改善ポイントがわかります。無料で活用できるためぜひ利用してみてください。
デザインやUIを再検討する
ユーザーにとって魅力的に見えるデザインや、使いやすいUIになるように再検討しましょう。
たとえユーザーが求める答えがあったとしても、見にくかったり次のアクションをしにくかったりすれば、コンバージョンは上がりません。
パソコン・スマートフォン・タブレットの画面それぞれで使いやすいUIになっているか確認しましょう。
内部リンクをわかりやすく配置する
関連する記事や商品などを、ページの中に分かりやすく配置しましょう。内部リンクを分かりやすくしておけば、Webサイト内の回遊時間が増え、コンバージョンの上昇も期待できます。
あわせて、誘導したいページまで簡単にたどり着けるように、動線設計を見直しましょう。
入力フォームを自分で使用してみる
ECサイトや申し込みサイトでは、入力フォームの使い勝手を追求することも大切です。ここに入力してもらえなければ、コンバージョンにつながりません。
- 入力しにくい画面になっていないか
- 入力内容が分かりにくくないか
- 入力項目が多すぎないか
以上の点を見直し、入力フォームの離脱率が高い場合は最優先で改善しましょう。
内容に緩急をつける
Webサイト内で表示する内容に緩急をつけるように意識してみてください。文字だけがびっしり書かれているページでは、スクロール回数が増えるにつれて離脱率が上昇します。
- 文字だけでなく画像を挿入する
- 文字に装飾を施す
- 動画で説明する
- 図や表を活用する
ページ上に緩急がつくと、文字の読みやすさもアップします。視覚的なコンテンツを含む記事では、画像エリアで熟読率が高まることがわかっています。記事の読ませ方への工夫が必要なのですね。
デバイスごとに最適化する
パソコン・スマートフォン・タブレットでも最適な表示がされるように設定しておきましょう。スマホサイズでも表示を最適化できる「モバイルフレンドリー」がおすすめです。
まとめ
離脱率の改善はWebサイトの利便性の向上につながり、最終的には申込件数や売上の上昇を見込めます。
Googleアナリティクスを用いれば簡単に数値を見られるため、Webサイトを運用している方は定期的にチェックしておくことをおすすめします。
離脱率が高いページを見つけたら、今回ご紹介した「離脱率を下げるためのポイント」を、ぜひ試してみてくださいね。