デジタルマーケティング戦略とは?成果につながる立て方と施策の優先順位 | KURO HOLDINGS株式会社

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2026/09/09

デジタルマーケティング戦略とは?成果につながる立て方と施策の優先順位

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デジタルマーケティング戦略とは何かを定義から解説し、目的の数値化から予算配分、施策の優先順位付けまでを具体的な手順で紹介します。個別施策がうまく繋がっていないと感じる方にも役立つ内容です。

デジタルマーケティング、結局何から手をつければ良い?

「SNSも広告もひととおりやっているのに、これは戦略と呼べる状態なのか、正直よく分からない」——このページを開いた方の多くは、そんな感覚を抱えているのではないでしょうか。個別の施策には取り組んでいるが、それらがどこに向かっているのかが自分でも説明しづらい。あるいは、これから担当者としてゼロから組み立てる必要があり、何から手をつければいいのか見えていない。

 

どちらの状況であっても、必要になるのは新しい施策を増やすことではなく、今ある施策を「何のために、どの順番で行うか」という設計に落とし込み直すことです。この記事では、デジタルマーケティング戦略の定義から、実際に手を動かして組み立てる手順、そして複数の施策がある中での優先順位の付け方までを、具体的な数値例を交えて解説します。

 

デジタルマーケティング戦略とは何か

デジタルマーケティング戦略とは、SNS・広告・SEO・メールなどの個別施策を、事業の目的から逆算して「何を、どの順番で、どれだけのリソースをかけて行うか」まで設計した状態を指します。個々の施策そのものは「デジタルマーケティング」であり、それらを目的に沿って束ね、優先順位と予算配分の根拠を持たせたものが「戦略」です。

 

よく混同される「Webマーケティング」は、この中でもWebサイトや検索エンジンなど、Web上の施策に限定した範囲を指す言葉で、デジタルマーケティングはメールやアプリ、オフラインで得たデータの活用まで含む、より広い概念にあたります。

 

戦略が「ある」とはどういう状態か

戦略があるかどうかは、施策の数や種類の多さでは判断できません。目安になるのは、「なぜこの施策を、この順番で、この予算でやっているのか」という質問に、担当者が数値と根拠を交えて即答できるかどうかです。

 

逆に、施策同士のつながりが説明できず、「とりあえず広告も、SNSも、SEOも手を広げている」という状態であれば、それは施策の実行リストであって戦略とは言えません。

 

今の状態を確認する3つの質問

次の3つの質問に、具体的な数値や根拠を交えて答えられるかどうかを確認してみてください。

質問 戦略がある状態の回答例
この施策で最終的に達成したい数値は何か 「問い合わせ数を月10件から20件に増やす」など、事業に近い数値で答えられる
今行っている施策は、その数値のどの部分を担っているか 「広告は比較検討層の獲得、SNSは認知の拡大」など役割で説明できる
今、最も優先すべき施策はどれか、その理由は何か 「リソースと効果が出るまでの期間から見て、まずこれ」と根拠を示せる

 

3つとも即答できなかった場合、施策そのものを増やす前に、次章以降で解説する「戦略が機能しない典型パターン」と「立て方の5ステップ」から見直すことをおすすめします。

 

戦略が機能しない会社に共通する3つのパターン

戦略という言葉を使っていても、実際には機能していないケースには共通した型があります。自社が当てはまっていないか、順番に確認してみてください。

 

施策の寄せ集め型

「競合がSNSをやっているから」「広告代理店に勧められたから」という理由で施策を採用し続けた結果、SEO・広告・SNS・メールがそれぞれ別の担当者・別の目的で動いてしまっている状態です。

 

この場合、施策ごとの数値は良好でも、事業全体で見ると「結局何が効いているのか」が誰にも説明できません。対処の方向性は、後述する「目的をKGIとして数値化する」ステップに立ち返り、すべての施策をひとつの目的の下に再配置することです。

 

中間指標止まり型

クリック数や表示回数、フォロワー数といった中間指標は毎月報告されているものの、それが問い合わせ数や成約数にどうつながっているかが、担当者自身にも見えていない状態です。中間指標が伸びているという事実だけで「うまくいっている」と判断してしまうと、実際の事業成果とは無関係な施策に予算を投じ続けるリスクがあります。

 

対処の方向性は、後述する「KPIを事業成果につなげて設計する」ステップで、中間指標と最終成果の接続を明文化することです。

 

体制先行不足型

戦略の設計図自体は立派でも、それを実行できる人員・予算が確保できていない状態です。担当者が1人で、SEO・広告運用・SNS運用・メール配信のすべてを兼任している、というケースはこの典型です。

 

対処の方向性は、施策の種類を増やすことではなく、後述する「予算とリソースの配分を決める」ステップと「優先順位の付け方」で、今の体制でも実行しきれる範囲まで絞り込むことです。

 

デジタルマーケティング戦略を立てる5つのステップ

ここからは、実際にゼロから戦略を組み立てる、あるいは今の施策を戦略として整理し直すための手順を解説します。

 

以下では、

  • マーケティング担当者1名
  • 外部に投じられる施策予算が月50万円
  • 目標は問い合わせ数を月10件から20件に増やす

という条件を例に、実際の数値を使って進め方を示します。

 

ステップ1 目的をKGIとして数値化する

最初に決めるのは、「認知を広げる」「集客を強化する」といった抽象的な言葉ではなく、事業の数値に近いゴール(KGI)です。「問い合わせ数を月10件から20件に増やす」のように、現状の数値と目標の数値をセットで言語化します

 

この数値が決まっていないと、後続のすべてのステップで判断基準がぶれてしまいます。目的が複数ある場合(新規獲得と既存顧客の引き上げなど)は、どちらを主軸にするかをここで決めておきます。

 

ステップ2 現状とターゲットを整理する

次に、今の顧客がどこから来ているか(検索、広告、SNS、紹介など)、どのような立場・悩みを持った人が問い合わせに至っているかを棚卸します。

 

難しい分析フレームワークを最初から使う必要はなく、「今の問い合わせのうち、どの経路が多いか」「その人たちは何に困って検索・閲覧しているか」を、既存のアクセス解析や過去の問い合わせ内容から書き出すだけで十分です。ここで見えてきた顧客像が、次のステップで施策を紐づける際の基準になります。

 

ステップ3 顧客の行動段階に施策を紐づける

顧客は、商品やサービスを知らない状態から、比較検討し、購入や問い合わせに至るまで、段階を経て動きます。この段階ごとに、今の施策がどこを担っているかを整理すると、手が薄い段階が見えてきます。

顧客の段階 この段階で届けたいこと 対応しやすい施策例
まだ自社を知らない 存在に気づいてもらいたい方向けの接点づくり SNS運用、ディスプレイ広告、動画
比較検討している 他社と比べて選んでもらいたい方向けの説得材料 SEOコンテンツ、リスティング広告、比較ページ
まだ迷っている・様子を見ている もう一歩背中を押してほしい方向けの継続接点 メールマーケティング、リターゲティング広告

 

この表を自社の施策に当てはめたとき、いずれかの段階が空欄になっていれば、それが今後追加を検討すべき施策の候補になります。逆に、ひとつの段階に施策が集中しすぎている場合は、次のステップで配分を見直します。

 

ステップ4 予算とリソースの配分を決める

ここでは、以下の一例として、目的が「問い合わせ獲得」の場合の配分を、条件を仮定して示します。あくまで一つの考え方の例であり、実際の比率は業種や現状によって調整が必要です。

 

目標が問い合わせ数の増加(比較検討層の獲得が主目的)である場合

予算50万円を「認知:比較検討:既存リードの引き上げ=30%:50%:20%」の比率で配分する例が考えられます。

 

この比率であれば、

  • 認知に15万円(SNS広告・ディスプレイ広告)
  • 比較検討に25万円(リスティング広告・SEOコンテンツの制作費)
  • 既存リードの引き上げに10万円(メールマーケティングの運用費)

という内訳になります(15万円+25万円+10万円=50万円)。

 

目標が「まずは会社の存在を知ってもらうこと」(認知拡大が主目的)である場合

同じ50万円でも「認知:比較検討:引き上げ=60%:30%:10%」(30万円:15万円:5万円)のように、配分の重心が変わります。

 

目的が変われば配分が変わるという点が、戦略として予算を決める際の基本になります。なお、SNS広告やリスティング広告の運用そのものを外部に任せたい場合は、運用代行サービスを利用する選択肢もあります。

 

ステップ5 KPIを事業成果につなげて設計する

施策ごとにクリック数や表示回数、フォロワー数といった中間指標を見ているだけでは、それが問い合わせという最終成果につながっているかが分かりません。中間指標と最終成果を、以下のようにひとつの流れとして接続しておくことが必要です。

施策 中間指標(KPI) 最終的に見るべき成果
リスティング広告 クリック数・クリック率 広告経由の問い合わせ数
SEOコンテンツ 検索順位・オーガニック流入数 記事経由の問い合わせ数
メールマーケティング 開封率・クリック率 再訪問後の問い合わせ・成約数

 

中間指標だけを追ってしまうと、「クリック率は良いが問い合わせにはつながっていない」という状態に気づけません。月次のレポートでは、中間指標と最終成果の両方を必ずセットで確認する運用にしておくことをおすすめします。

 

施策の優先順位をどう決めるか

目的と施策の紐づけ、予算の配分まで決まると、次に出てくるのが「では、今すぐ何から着手すべきか」という問いです。ここでは、先ほどの条件(目標:問い合わせ月10件→20件、予算50万円/月、担当者1名)をもとに、実際に優先順位を判定する手順を示します。

 

まず、目標達成に必要な規模を逆算します。仮に、サイト訪問者が問い合わせに至る割合(CVR)を1%とすると、月20件の問い合わせを得るには、月2,000人の訪問者が必要になる計算です(20件÷1%=2,000人)。現状の訪問者数が月1,200人程度であれば、不足しているのは月800人分の訪問者です。この「あと800人をどう埋めるか」という視点が、施策の優先順位を判断する起点になります。

 

次に、埋め方の候補(リスティング広告の増額、SEOコンテンツの追加、SNS経由の流入強化など)について、次の3つの質問に順番で答えます。

質問 この条件での回答例
その施策は、不足している800人にどれだけ直接効くか リスティング広告は即効性が高く、SEOコンテンツは3〜6ヶ月かけて積み上がる
今の体制(担当者1名)で、すぐに着手できるか 広告の増額はすぐ着手できるが、コンテンツ制作は外部リソースが必要
50万円の予算内で、無理なく配分できるか 広告予算をあと5万円増やす程度であれば、比較検討段階の配分内で吸収できる

 

この条件であれば、「まずリスティング広告の予算を比較検討層向けの配分内で増額し、即効性のある不足分を埋めながら、並行してSEOコンテンツの制作に着手する」という優先順位が導き出せます。逆算した不足人数と、実行のしやすさ・予算の範囲を照らし合わせることで、思いつきではなく根拠のある優先順位付けが可能になります。

 

代表的な手法とその使い分け

ここまでの手順で「どの段階に、どんな役割の施策を割り当てるか」が見えてきたところで、代表的な手法とその向き不向きを整理します。

SEOコンテンツ

こんな目的の方向け

今すぐの反響よりも、時間をかけてでも比較検討層との接点を安定して持ち続けたい方に向いている手法です。広告費を継続的に投じ続けなくても、記事が資産として残り続ける点を重視する方に適しています。

メリット

一度検索結果の上位に表示されると、広告のように毎月費用を投じ続けなくても継続的に流入を生み出せる点が最大の強みです。積み上がった記事は、その後も資産として比較検討層との接点を作り続けます。

デメリット

検索エンジンからの評価を得て成果が出るまでには、一般的に3〜6ヶ月程度の期間を要します。また、公開して終わりではなく、順位や内容を継続的に見直す運用の手間もかかります。

Web広告

こんな目的の方向け

今まさに比較検討している顧客に、今すぐ接点を持ちたい方に向いている手法です。SEOコンテンツの成果を待つ余裕がなく、短期間で反応を確かめたい場合に適しています。

メリット

広告掲載を開始した直後から流入が発生するため、即効性を重視する場面で力を発揮します。予算やクリエイティブも、状況に応じてすぐに調整できる柔軟さがあります。

デメリット

広告の配信を止めれば、その瞬間から流入も止まってしまいます。また、競合が多いキーワードほどクリック単価が上がりやすく、費用がかさみやすい点にも注意が必要です。

SNS運用

こんな目的の方向け

まだ自社の存在を知らない層に、まずは知ってもらいたいという方に向いている手法です。すぐの問い合わせよりも、認知の広がりやファンとの関係構築を優先したい場合に適しています。

メリット

広告費をかけずに低コストで始められる手軽さがあり、投稿を通じてファンとの継続的な関係を築きやすい点が強みです。

デメリット

フォロワーや「いいね」の数が増えても、それがそのまま問い合わせの増加につながるとは限りません。成果を測る指標を分けて考える必要があります。

メールマーケティング

こんな目的の方向け

すでに一度接点を持った見込み客に、もう一歩背中を押してほしい方に向いている手法です。新規の認知拡大ではなく、既存の接点を成果につなげたい場合に適しています。

メリット

一度取得したメールアドレスのリストがあれば、配信自体のコストは低く抑えられ、継続的に接点を持ち続けられます。

デメリット

そもそも配信先となる見込み客の連絡先(リスト)が集まっていなければ始めることができません。他の施策と組み合わせてリストを育てる必要があります。

戦略立案でつまずきやすい注意点

最後に、戦略を設計する過程で陥りやすい点を整理します。

 

施策を同時に増やしすぎない

目的や優先順位が明確になると、「全部同時にやれば早く成果が出るのでは」と考えたくなりますが、限られた予算・人員を複数の施策に分散させると、どの施策も中途半端な投下量になり、結果的にどの数値も動かないという事態に陥りがちです。優先順位に沿って、今月はどれか一つに絞る、という判断が遠回りに見えて確実な前進になります

 

目標を最初から高く設定しすぎない

「問い合わせ数を10倍にする」といった、現状の体制やリソースと大きく離れた目標を最初に設定すると、途中で息切れし、施策の見直しそのものが止まってしまいます。まずは今の体制で無理なく検証できる規模の目標を置き、達成できたら次の目標を積み上げる方が、結果として長く続けられます。

 

公的な支援制度も選択肢に入れる

外部に施策を任せる予算を確保しづらい場合、IT導入補助金など、デジタル施策の導入に活用できる公的な支援制度が存在します。制度の詳細や対象は年度によって変わるため、中小企業庁やIT導入補助金事務局の公式サイトで最新の要件を確認したうえで、予算計画に組み込めるかを検討する価値があります。

 

私たちが戦略設計で大切にしていること

戦略という言葉を使うとき、多くの場面で語られるのは「どの施策を、どの順番で行うか」という構造の話です。もちろんそれは欠かせない要素ですが、私たちが最初に立ち止まって考えるのは、その手前にある「そもそも何を届けたいのか」という問いです

 

施策の組み合わせを考える前に、届けたい価値の中身が顧客の言葉で語れるところまで翻訳されているか。そこが曖昧なまま数値目標と施策だけを組み立てても、途中で優先順位に迷いが生じやすくなります。構造の設計と、届ける価値の翻訳は、どちらか一方では成立しない、という感覚を持って戦略の相談に向き合っています。

 

よくある質問

 

デジタルマーケティング戦略は内製と外注どちらがいいですか

目的の設計や優先順位の判断そのものは、自社の事業を最もよく理解している内製が向いています。一方で、SEOコンテンツの制作や広告運用の実行部分は、専門的な知見が求められるため、外部に任せることで立ち上がりが早くなるケースも多くあります。

 

判断に迷う場合は、まず自社で目的とKGIだけを決め、実行部分をどこまで内製できるかを見積もってから検討する順番がおすすめです。

 

中小企業やリソースが少ない会社でも戦略は必要ですか

むしろリソースが限られているほど、優先順位を明確にする戦略の重要性は高くなります。予算や人員が豊富であれば多少の非効率も吸収できますが、限られたリソースで成果を出すには、この記事で紹介した優先順位の判断軸が有効です。

 

戦略を見直すタイミングの目安はありますか

四半期ごと、あるいは主要なKPIが目標から大きくずれたタイミングで見直すのが一般的です。特に、中間指標は伸びているのに最終成果(問い合わせ数など)が伸びていない場合は、見直しのサインと捉えてよいでしょう。

 

最初に何から始めればいいですか

この記事のステップ1、目的をKGIとして数値化することから始めてください。数値化ができていない状態で施策や予算の議論を進めても、判断の基準がぶれてしまいます。

 

まとめ

デジタルマーケティング戦略は、施策の数を増やすことでは完成しません。目的を数値で定義し、顧客の行動段階に施策を紐づけ、予算とリソースの配分に根拠を持たせ、優先順位を判断できる状態になったとき、初めて「戦略がある」と言えます。まずは自社の今の施策を、この記事の5つのステップに沿って一度棚卸してみてください。その整理を自社だけで進めるのが難しいと感じた場合は、デジタルマーケティングの全体設計を支援するサービスもありますので、必要に応じて活用を検討してみてください。

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