ウェブサイトを運営しているとどのくらいの人がページを見てくれているのか、どのくらいの人がすぐにページから出て行ってしまうのか気になりますよね。
そこで、Google アナリティクスにおける直帰率・ 離脱率について解説します。
改善すべきページの探し方や具体的な改善方法も解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
直帰率とは
「直帰率」とは、ユーザーがサイトを訪れた際に、着地した1ページだけを見てサイトから離脱した割合のことです。「バウンス率」や「バウンスレート」とも呼ばれています。
具体的な例を見てみましょう。
サイト内遷移 | ||||
(1) | ページAを訪問 | 離脱 | ||
(2) | ページAを訪問 | ページBに移動 | 離脱 | |
(3) | ページAを訪問 | ページBに移動 | ページCに移動 | 離脱 |
この場合、(1)は ページAのみを閲覧しサイトから離脱したため「直帰」したことになります。
直帰率の計算方法は以下の通りです。
直帰率(%) = 直帰したセッション数 ÷ 全セッション数×100 |
例えば下記の条件で直帰率を求めると、
- ページAに10人のユーザーが訪問した
- ページAを見たあと、6人が離脱した
ページAから離脱した6人の直帰率は「6÷10×100=60%」という結果になります。ユーザーの離脱を表すデータなので、割合は低いに越したことはありません。
離脱率との違い
「離脱率」は、サイト内のいくつかのページを閲覧し、最終的にそのページで離脱したユーザーの割合です。直帰率は、離脱率の一部ともいえます。
前述の表における(2)(3)のデータを集計すると、離脱率が計算できます。
サイト内遷移 | ||||
(1) | ページAを訪問 | 離脱 | ||
(2) | ページAを訪問 | ページBに移動 | 離脱 | |
(3) | ページAを訪問 | ページBに移動 | ページCに移動 | 離脱 |
例えば下記の条件だと、
- ページAに10人のユーザーが訪問した
- ページAを見たあと、6人が離脱した
- 残りの4人は内部リンクからページBに移動した
- 3人がページBで離脱した
- 1人がページCに移動し、閲覧後離脱した
離脱率は下記の通りです。
- ページA:60%(直帰率と同意)
- ページB:30%
- ページC:10%
このデータを利用すれば、どのページがユーザーにとって便利なのか検証可能です。
直帰率の目安
一般的に直帰率の目安は40%前後といわれています。しかし、サイトの目的・内容によって直帰率にばらつきがあるため、目安に縛られる必要はありません。
直帰率が高くなる4つの原因
自身のサイトが当てはまっていないか、確認しながらご覧ください。
- ユーザーの検索意図に沿っていない
- ページの導線がわかりにくい
- ページの表示が遅い
- デバイスごとに最適化されていない
それぞれ解説します。
ユーザーの検索意図に沿っていない
ユーザーは、知りたい情報がサイトに載っていなければすぐにページを離れます。
例えば、ブランドに関する歴史を調べているときに、商品ページに誘導されても長居はしませんよね。悩みを持っているユーザーに対して最適な答えを提供できているかどうか、サイトの内容チェックが必要です。
ページの導線がわかりにくい
「商品の購入方法がよくわからない」「関連するほかの記事が見当たらない」のように、サイト内のほかのページへの導線が分かりにくいと直帰率は上がります。
分かりにくい・ 使いにくい場所がないか、自身のサイトを隅々までチェックしておきましょう。
ページの表示が遅い
ユーザーは、サイトの動作が遅いと離脱します。
Googleが公表した調査結果では
- 完全に表示されるまでに3秒以上かかると、53%のユーザーはページを離れる
- 表示速度が1秒から7秒に落ちると、直帰率は113%上昇する
というデータが出ています。
サイトを作る・改善するときには、ページの表示速度も欠かさずチェックしておきましょう。
デバイスごとに最適化されていない
パソコン専用にサイト設計すると、スマホやタブレットでの表示にずれが生じたり文字が読みにくくなったりします。サイトに違和感があると離脱する原因となるため、表示形式の最適化が必要です。
直帰率を改善する4つの方法
直帰率の改善を期待できる4つの方法を紹介します。
- ページデザイン・コンテンツを変更する
- 表示速度を改善する
- 導線設計を見直す
- モバイルフレンドリーに対応する
自身のサイトにおける問題点を正確に把握し、ひとつずつ検証してみてください。
ページデザイン・コンテンツを変更する
サイトのデザインには、見た目だけでなく「使いやすい・見やすいデザイン」が求められます。
コンテンツも、ユーザーのニーズを満たし、飽きさせないために日々改善しましょう。
求められるデザイン |
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コンテンツの改善策 |
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表示速度を改善する
表示速度の遅さによる離脱を防ぐ改善策は5つあります。
- 画像サイズの改善
- ソースコードの圧縮
- 不要なプラグインの削除
- 高性能なサーバー利用
- ブラウザキャッシュの設定
表示速度改善により目指すのは、Googleが指標とする以下の数値です。
- メインコンテンツが表示されるまでの時間:2.5秒未満
- クリックなどのアクションに対する反応速度:100ミリ秒以下
これらは「PageSpeed Insights」という無料ツールで測定できます。SEOの評価向上のためにも、確認をおすすめします。
導線設計を見直す
導線設計を見直す方法は4つです。
- ユーザーが興味を持つであろうコンテンツを近くに配置する
- 内部リンクを貼ってほかのページへ誘導する
- サイドメニューに関連ページを表示する
- 購入リンクを目立つように設置する
以上を実施して、ユーザーの利便性向上を目指しましょう。
モバイルフレンドリーに対応する
パソコンに最適化されたページをスマホに表示した際、縮小されるのを防ぐため、スマホサイズに合わせたサイトを表示できる「モバイルフレンドリー」がおすすめです。
デバイスごとの最適化が進んでいない方は検討してください。
直帰率を改善すべきページの見つけ方
直帰率を参考に、どのように改善すべきページを見つければよいのかご紹介します。
コンバージョンをチェックする
直帰率とコンバージョンをひも付けて考えてみましょう。
例えば、
直帰率 | コンバージョン率 | |
(1) | 80% | 0% |
(2) | 50% | 5% |
という場合には、直帰率は(1)の方が高いものの、コンバージョンにつながっていないためサイト改善の優先順位は低くなります。
一方で、(2)は直帰しているユーザーを少しでもほかのページに誘導できれば、全体のコンバージョンが増加する可能性があります。直帰率の高さだけではなく、コンバージョンとあわせて考えましょう。
滞在時間をチェックする
直帰率が高く、平均滞在時間がサイト平均よりも短い場合は、ページの改善が必要です。
ページの内容とユーザーのニーズがマッチしていない可能性があるため、
- ページを訪れたユーザーがどのようなキーワードで検索しているかを調査
- キーワードでGoogle検索して、表示されるサイトを分析
- 足りていない要素を自身のサイトに追加
という手順でサイトの改善を図ってください。
まとめ
直帰率は低いほうがよいと紹介しましたが、数字だけを見てサイトの良し悪しは判断できません。
なぜその数値になっているのかを読み取り、改善の必要性を判断してください。
定期的なデータチェックをもとに、健全なサイト運用・売上アップを目指しましょう。