「リスティング広告でクリック率を上げたいが、方法が分からない」「クリック率の平均が知りたい」という方に向けて、本記事ではクリック率を改善するためにやるべき4つの改善策や業界別クリック率の平均について解説します。
記事を読むことで、クリック率とコンバージョンを押し上げていくために行うべき次のアクションが明確になります。
他にもリスティング広告のクリック率が低い原因TOP3などもご紹介していますので、ぜひ自社に当てはまるものがないか確認しながら読み進めてください。
目次
リスティング広告における「クリック率(CTR)」とは
クリック率は、広告の効果を図る重要な指標のひとつです。クリック率:CTR (Click Through Rate)とは、広告の表示回数(インプレッション数)に対して、広告がクリックされた回数の割合を指します。
クリック率の計算方法は、クリック数 ÷ 表示回数 = クリック率(CTR)です。
(例)広告が1,000回表示され、そのうち50回クリックされた
→ 50(クリック数)÷1000(表示回数)=5%(クリック率) |
クリック率の重要性
広告ではコンバージョン数や売上など最終的な数値に目が向きがちですが、CTRは最終目標に至るまでに必要な重要指標です。
広告の「魅力度」が測れる指標である
CTRが高いということは、それだけユーザーが広告に興味を持ってクリックしてくれたということになります。反対に、CTRが低い広告はユーザーにとって魅力度が低い可能性があります。CTRはどれだけユーザーに有益な広告が配信できているかが測れる指標です。
品質スコア(広告ランク)への影響
リスティング広告では、「広告の質(品質スコア)」が広告の表示順位やクリック単価に影響します。CTRが高い広告は「ユーザーに有益な広告である」と判断され、より上位に安く掲載されやすくなるのです。
LPへの入り口であり成果に直結する
リスティング広告は「表示 → クリック → LP閲覧 → CV」の流れでユーザーが行動します。CTRが低いと、そもそもLP(ランディングページ)に来る人が少ないため、どれだけ良いLPを用意してもコンバージョンに繋がりづらくなります。
【業界/媒体別】クリック率の平均
クリック率の平均は業界や広告の種類によって、大きく異なります。そこで業界別のクリック率の目安と、全業界におけるリスティング広告の平均クリック率についてご紹介します。
業界別:クリック率の目安
業界 | 平均クリック率 |
擁護団体 | 4.41% |
自動車 | 4% |
BtoB | 2.41% |
消費者サービス | 2.41% |
出会い・恋愛系サービス | 6.05% |
E-コマース | 2.69% |
教育 | 3.78% |
求人 | 2.42% |
金融・保険 | 2.91% |
健康・医療 | 3.27% |
日用品 | 2.44% |
産業サービス | 2.61% |
法律 | 2.93% |
不動産 | 3.71% |
テクノロジー | 2.09% |
旅行・観光 | 4.68% |
引用元:wordstream「Google Ads Benchmarks for YOUR Industry [Updated!]」
https://www.wordstream.com/blog/ws/2016/02/29/google-adwords-industry-benchmarks
データによると、最も高い業界が出会い・恋愛系サービス、最も低い業界がテクノロジーという結果でした。
媒体別:クリック率の目安
Googleリスティング広告の平均クリック率
WordStream社の調査によると“Google 広告の全業種における平均クリック率は、検索で 3.17%、ディスプレイで 0.46% ”と言われています。
引用元:wordstream「Google Ads Benchmarks for YOUR Industry [Updated!]」より翻訳
https://www.wordstream.com/blog/ws/2016/02/29/google-adwords-industry-benchmarks
リスティング広告のクリック率は、自社のサービスやブランド名を指すような指名キーワードの場合、さらに上がります。
Yahoo!リスティング広告の平均クリック率
一般的にYahoo!リスティング広告では1〜3%が平均と言われており、Googleよりもやや低い傾向にあります。要因としてはユーザー層や広告の目立ち方の違い、提携メディアへの配信による表示面の分散などが関係していると考えられます。
しかし、一概にCTRが低い=成果が悪いとはいえず、ターゲットや商材によってはYahoo!の方が成果が出るケースもありますので、商材と媒体の相性を踏まえて配信媒体を選ぶことをおすすめします。
その他広告手法との比較
その他のオーガニック検索やSNS広告のクリック率については、下記の通りです。
オーガニック検索のクリック率
SearchEngineJournalでは、SEOツールを提供するSISTRIX社の8,000 万を超えるキーワードと数十億の検索結果をもとにした分析結果を紹介しています。
“Google 検索の最初のオーガニック検索結果の平均クリック率は 28.5% (中略)
調査によると、平均 CTR は 1 位以降急激に低下し、2 位と 3 位のクリック率はそれぞれ 15% と 11% となっています。当然のことながら、Google の 10 位のクリック率は 2.5% と非常に低いです。”
(引用)SearchEngineJournal『Over 25% of People Click the First Google Search Result』より翻訳
https://www.searchenginejournal.com/google-first-page-clicks/374516/
Facebook広告のクリック率
Facebook広告の平均クリック率については、NestScaleブログにてこのように紹介されています。
”Facebook広告には業界に基づいた一定のベンチマークCTRがあります。2023年3月の世界の業界別のFacebook広告クリックスルー率(CTR)に関するStatistaレポートによると、すべての業界の全体的な平均Facebook広告CTRは1.27%と計算できます。”
(引用)Average CTR for Facebook Ads: What It is & How to Increaseより翻訳
https://nestscale.com/blog/average-ctr-for-facebook-ads.html#
クリック率は高ければ高いほど良い?
クリック率が高いということは、ユーザーがクリックをしたくなるような魅力的な広告を配信できているということになります。
ただしクリック率は指標の一つであり、コンバージョンがなければ意味を成しません。あくまで中間目標の一つと捉えておきましょう。
クリック率だけが上がりすぎると問題が発生することも
リスティング広告は一般的に「クリック課金」のため、クリック数に応じて広告費が決まります。つまり、コンバージョンがなくクリック率だけが高い状態では、費用対効果の低さが問題になってきます。
クリック率が上がっているもののコンバージョンが獲得できない原因としては、以下のようなものが挙げられます。
- コンバージョンが獲得できるキーワードを設定できていない
- 広告をクリックした後のLPに問題がある
- コンバージョンするハードルが高い
いくら広告がクリックされても、その先にある顧客体験が優れていなければコンバージョンには結びつきません。
質の高いクリックを集めることが重要
費用対効果を高めていくには、コンバージョンに直結する質の高いクリックを集めることが重要です。質の高いクリックを集めるためには、ユーザーの検索意図を的確に捉えている広告とLPが必要になります。
クリック率が高いことは悪いことではありませんが、クリック率とコンバージョン率のバランスも見ながら運用していきましょう。
リスティング広告のクリック率が低い原因TOP3
ここからはリスティング広告のクリック率が低い原因TOP3をご紹介します。
1. ターゲティング設定が広すぎる
クリック率が低い場合、適切なターゲティング設定ができていないことがあります。
Google広告では主に下記の方法で広告をターゲティングすることができます。
- ユーザーの属性
- ユーザーの興味や関心、習慣
- ユーザーが積極的に調べている内容
- すでに広告主様の広告、ウェブサイト、アプリにアクセスしたことのあるユーザー
ターゲティング設定に不安がある方は、上記の設定について再度確認してみましょう。ターゲット設定が広すぎると望まないユーザーにも配信されてしまい、結果的にクリック率が低くなることがあります。
2. 広告の表示位置が悪い
広告の表示位置は、広告の広告ランクによって決定しています。
広告ランクは、他の広告主と比べて自社の広告品質の目安をスコアで表示する診断ツールであり、この広告ランクは広告だけでなくLPの内容も含めて判断されます。もしかすると、広告の広告ランクが表示位置悪化の原因になっているかもしれません。
3. 広告文がユーザーニーズとかけ離れている
広告がターゲットユーザーの目に止まったとしても、広告文の内容が検索ニーズと合致していなければ、クリックされることはありません。設定したキーワードで検索したユーザーにとって、魅力的な広告文になっているか確認をしてみましょう。
検索キーワードからユーザーのニーズをくみ取り、キーワードそのものを広告文に加えてみるのも一つです。
クリック率を上げるためにまずやるべき4つの改善策
ではここからは、クリック率を上げるためにまずやるべき4つの改善策について解説します。
1. キーワードの調整
Buy・Know・Do・Goキーワードに分類してみる
キーワードは大きく、Buy・Know・Do・Goに分けられます。
キーワードの分類とそれに対して用意すべきコンテンツを理解することで、ユーザーの検索意図を正しく読み取ることが可能になります。
分類 | 検索意図 | キーワード例 |
Buy | ○○を買いたい
通販サイトのリスティング広告では、コンバージョン(購入)に直結しやすいキーワードです。 |
「ソファ おすすめ 安い」
「自転車 通販」 |
Know | ○○について知りたい | 「リスティング広告とは」
「置き換えダイエット やり方」 |
Do | ○○をしたい | 「美容室 新宿 予約」
「オンラインスクール 資料請求」 |
Go | ○○にいきたい
実在する場所に行きたい場合もありますし、特定のサイトにいきたいという検索意図である場合もあります。 |
「スターバックス 渋谷」
「無印良品 公式サイト」 |
もし自分が設定したキーワードがどれにあたるか分からない際には、広告ではなくオーガニックの検索結果を確認してみましょう。実際の検索結果の上位にあるものはユーザーのニーズを捉えている内容になっていますので、上位サイトのコンテンツからユーザーの知りたいことを判断してみると良いでしょう。
コンバージョンがとれやすいキーワードを優先する
Buy・Know・Do・Goのうち、コンバージョンがとれやすいキーワードは明確な購入意思がある「Buyキーワード」です。
「通販」「ネットショップ」「最安値」など、購入を前提にしているユーザーが軸となるキーワードと掛け合わせて検索しそうなキーワードは設定しておきましょう。
またそれ以外にも、ニーズが顕在化しているユーザーが調べそうなキーワードも優先的に設定しておくと良いでしょう。
検索ボリュームが大きすぎないか/小さすぎないかにも注意
検索ボリュームは、Googleのキーワードプランナーで確認することができます。検索ボリュームが大きすぎると競合が多い=難易度が高く、小さすぎると検索ユーザー自体がいないということになってしまいます。
月間ベースで1万回以上検索されるようなビッグキーワードは、2語以上の複合キーワードに変更するのが良いでしょう。具体的には、自社のサービスエリアを追加したり、具体的なサービス内容を追加するのがおすすめです。
(例)
「スマホ修理」→「スマホ修理 東京」「スマホバッテリー交換 東京」 |
検索数が少なすぎるキーワードは避けるのが無難ですが、より抽象的なキーワードに変更することで上手くいく場合もあります。
(例)
「開店祝いに使う東京の胡蝶蘭の花の配達」→「花の配達 東京」や「胡蝶蘭の配達」 |
検索ボリュームが小さすぎる場合には、キーワードの中に限定的すぎる表現がないか確認してみましょう。
キーワードのマッチタイプの見直し
キーワードをインテントマッチで配信を行っている場合、自分が意図しないユーザーにも広告が表示される可能性があります。
インテントマッチでは、指定したキーワードに関連する内容の検索が広告の表示対象となり、キーワードの語句そのものが入っていない検索でも表示されます。多様なキーワードを網羅できることはメリットでもありますが、その分意図していないキーワードでも配信される可能性があります。
自社のサービスや商材に該当しないものは除外設定を行ったり、キーワードのマッチタイプ変更を検討してみたりするのが良いでしょう。
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2. 広告文の見直し
広告文の見直しでは、下記の点を中心に確認してみてください。
|
リスティング広告では、複数の広告文を設定することができます。内容を変えた広告文をいくつか設定して、どのパターンが最もクリック率が上がるか、A/Bテストを行ってみてください。
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3. ターゲティング設定の更新
デモグラフィック・地理的ターゲティングの活用
デモグラフィックとは、性別、年齢、収入、職業、学歴、家族構成、居住地などの人口統計学的な属性の総称のことを言います。属性をある程度絞って配信を行うことで、クリック率の向上はもちろん費用対効果の向上にも繋がります。
Google広告では、
- ターゲットユーザーの性別
- 年齢
- 世帯収入
- 子供の有無
- 配偶者の有無
- 学歴
- 住宅の所有状況
- 就業状況など
などを設定することが可能です。
また、地理的ターゲティングとは、特定の場所にいるユーザーに向けて広告を表示することです。Google広告では、以下のような設定が可能となっています。
- 所在地やインタレスト:追加した地域にいるユーザー、追加した地域をよく訪れるユーザー、追加した地域に関心を示したユーザー
- 所在地:追加した地域にいるユーザー、追加した地域をよく訪れるユーザー
これらの設定を行い、より具体的に購入してくれそう、サービスを利用してくれそうなユーザーに限定してアプローチするのがおすすめです。
リマーケティングの活用
リマーケティングとは、一度サイトを訪れた人に対して広告を配信することができる広告のことを指します。
過去にサイトにアクセスしたユーザーは、既に自社サービスや商材に興味をもっているコンバージョンの見込みがあるユーザーです。再度アプローチすることで、コンバージョン率の向上が期待できます。
「情報収集が目的」「まだ他社と比較したい」と一旦離脱したユーザーも一定数いるはずですので、リマーケティングの活用は積極的に行っていきましょう。
4. 品質スコアの改善
先述したとおり、品質スコアは自社の広告品質の目安をスコアで表示する診断ツールです。
品質スコアは、3つの要素から構成されています。
推定クリック率:広告が表示された場合にクリックされる可能性の高さ
広告の関連性:広告がユーザーの検索の意図と一致する度合い LPの利便性:LPが広告をクリックしたユーザーにとってどの程度関連性があって有用である |
検索意図によってコミュニケーションの方法、つまり広告やLPで伝えるべき内容も異なります。ユーザーの目的に応じて、キーワード・広告・LP全てで一貫性のあるメッセージを伝え、最適化していくのがおすすめです。
また、LPのモバイル対応とページ速度の改善も優先して行いましょう。これらは、ユーザーの離脱を引き起こす原因になりかねません。モバイルフレンドリーになっているかどうかは、Google診断ツール(Lighthouse)より、ページ速度については、PageSpeed Insights より確認することができます。
さらに費用対効果を上げる運用方法
最後に、より少ない費用でクリック率とコンバージョン率を上げていく方法を紹介します。
広告表示させる最適なタイミングを見つける
Google広告のレポートでは、配信時間と曜日ごとなどクリックされやすいタイミングを分析することができます。
最もクリックされやすい曜日や時間帯を見つけることで、さらに費用対効果を高めることができます。
A/Bテストの結果から広告文を最適化する
A/Bテストを活用して効果の高い広告へシフトしていくことも重要です。例えば、「今すぐご予約ください」と「今すぐお電話ください」の2パターン配信し、どちらの方が成果が良いかを比較します。
キャンペーンを複数作成して手動でA/Bテストを行うこともできますが、Google・Yahoo!ともに「レスポンシブ検索広告」機能を使うと、機械学習により簡単に広告文が最適化できます。
レスポンシブ検索広告とは、設定した複数の広告見出しと説明文が自動的に組み合わされ、さまざまな組み合わせのパターンが配信される機能。機械学習によって成果の良い広告パターンを見つけ出し、自動的に絞り込まれていきます。
広告の表示オプションを活用する
広告表示オプションとは、リスティング広告の見出しと説明文以外に、サイトのリンクや電話番号などの情報を表示できる機能です。広告表示オプションを活用すれば、広告の画面占有率が上がり、ユーザーにより詳しく情報を伝えることができ、ユーザーが行動を起こしやすくなるというメリットがあります。
以下に、主な表示オプションをご紹介します。
サイトリンク
ピンポイントでこのページを見たいというニーズがある場合、例えばネットショップ内で複数のカテゴリーページをもって商品を販売している際などに便利です。
コールアウト
短い文字でサービスについて補足情報を記載することができます。信頼感を高め、不安を解消できるような文章を入れると効果的です。
プロモーション
期間限定のセール情報などを表示させるのに便利な機能です。
電話番号
すぐに電話することができるため、コンバージョン率の向上が見込めます。特に、水のトラブルや鍵の紛失といった緊急性が高いサービスとの相性が良いと言えます。
構造化スぺニット
提供する商品やサービスの詳細を伝えることができます。多数の商品を取り扱っている場合は、主な商品群が一目で分かります。
アプリ
Google PlayやApp Storeにすぐに遷移でき、ユーザーにダウンロードしてもらいやすくなります。自社アプリを開発している企業は必ず設定しておきましょう。
広告表示オプションを活用することで、ユーザーが求めている情報を分かりやすく伝えることが可能になります。CTR・コンバージョンを高めていくためには必要な設定ですので、ぜひ試してみてください。
ランディングページの改修
もしなかなかコンバージョンが増えていかない場合は、LP改修も視野に入れるのもいいかもしれません。せっかく広告を改善して集客したユーザーが離脱するかしないかは、最終的にはLPでの顧客体験によって決まります。
自社で細かくLPまで改善できればそれがベストではありますが、そこまでは難しいという企業がほとんどではないでしょうか。自社のリソースではクオリティーが高いLP制作が難しい場合は、専門の代理店に依頼してLPの改修を検討してみましょう。
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