【第8回】「売上が上がらない」をどう紐解くか。課題の根っこを見つける「因数分解」の技術 | KURO HOLDINGS株式会社

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2026/07/30

【第8回】「売上が上がらない」をどう紐解くか。課題の根っこを見つける「因数分解」の技術

  • KURO HOLDINGSのマーケティング哲学書
KURO HOLDINGSのマーケティング哲学書8

「最近、どうも売上が上がらない」
「いろいろと施策を打っているのに、業績が上向かない」

 

事業全体の数字が停滞しているとき、現場では焦りから「とりあえず新しい広告媒体を試そう」「Webサイトをリニューアルしよう」と、目についた新しい施策に飛びついてしまいがちです。

 

しかし、ここでいきなり「解決策」を考え始めることはありません。 なぜなら、「売上が上がらない」というのはあくまで最終的な「結果(=事象)」であり、解決すべき「課題の根っこ(=本質)」ではないからです。今回は、複雑に絡み合った事象を解きほぐし、確実な次の一手を見つけ出す「因数分解」の技術についてお話しします。

複雑な問題は「情報が多くて、構造がない」だけ

「売上が上がらない」という問題が難しく感じるのはなぜでしょうか。それは、広告のパフォーマンス、競合の動き、商品の在庫状況など、あまりにも多くの情報が混ざり合っているからです。

 

私たちは、複雑な問題とは単に「情報が多くて、構造がない状態」であると考えています。 情報が絡み合ったままの巨大な岩を、そのまま素手で叩いてもビクともしません。だからこそ、まずはその岩を動かせるサイズまで小さく砕いていく作業が必要です。それが、思考の「因数分解」です。

 

売上という結果を構成している要素(変数)を分解し、「どこに詰まりがあるのか」を特定していく。「売上=アクセス数 × CVR(購入率) × 客単価」といった数式分解は基本ですが、成果を出すための因数分解はそれだけにとどまりません。

現象の裏にある「インサイトのズレ」まで解体する

例えば、数式を分解した結果「CVRが下がっている」という事実に辿り着いたとします。 ここで「CVRが低いなら、LPのボタンの色を変えよう」「フォームを短くしよう」と、目に見えるページの改修に走るのは、現象に対する反射的な対処にすぎません。

 

ここでさらに、思考を一段深く解体します。 マーケティングを「価値循環(価値→翻訳→接続→流通→循環)」のパイプラインとして因数分解したとき、CVRの低下はどこに起因しているのか。

 

「広告で伝えた価値(期待値)」と「商品ページで直面する現実(労力や価格)」の間に、摩擦が生じていないか? 「SNSでの『素敵だ』という情緒的な共感」は高いのに、顧客の目的に合うかという「物理的な納得感」への翻訳が欠けているのではないか?

 

事象をただの「数字の低下」として扱うのではなく、その裏にある顧客の心理や、構造的なエラーにまで踏み込んで解体する。現象ではなく「本質」を見抜くこの深さこそが、確実な成果を導くために不可欠なアプローチです。

「考えを構造化する」ことを組織の共通言語にする

こうした深い思考の解体を、「一部の優秀なマーケターの頭の中」だけで終わらせてしまっては、組織としての再現性は生まれません。

 

だからこそ、私たちが社内の組織運営やプロジェクトにおいて最も重視しているのは、この「本質を捉える力」や「考えを構造化する」という技術を、特定の個人のセンスではなく、チーム全員が使える「組織の共通言語」として実装することです。

 

「それは現象か、本質か?」「構造のどこで詰まっているのか?」 日々の会議でこの対話を繰り返し、複雑な事象から逃げずに因数分解する。この地道な思考の習慣があるからこそ、当てずっぽうではない「必然の一手」を導き出すことができるのです。

まとめ

「売上が上がらない」と悩んだときは、すぐに新しい施策を探すのをやめてみてください。 まずは現状を構成している要素を書き出し、どこに課題の根っこが隠れているのか、因数分解をして構造を解きほぐすことから始めてみましょう。

 

次回は、こうして解体し、見つけ出した複数の課題に対して、どのようにアプローチしていくべきか。「戦略とは『選ばないこと』を決める作業である」という優先順位の設計についてお話しします。

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