Googleショッピング広告とは、Googleの検索結果やショッピングタブなどに、商品画像や価格を表示できる広告です。商品を探しているユーザーに画像と価格で直接アピールできるため、購入意欲の高い層を集客しやすくなります。
本記事では、ショッピング広告の基本からP-MAXとの違い、始め方、成果を高めるポイントまで、順を追って見ていきましょう。
目次
ショッピング広告の基本を理解しよう
まずは、ショッピング広告の仕組みや掲載される場所など、基本を押さえておきましょう。
ショッピング広告とは
ショッピング広告は、Google Merchant Center(以下、Merchant Center)に登録した商品データをもとに、Googleの検索結果などへ商品を表示する広告です。
リスティング広告(検索広告)がテキストだけで構成されるのに対し、ショッピング広告では商品画像・商品名・価格・ショップ名などがまとめて表示されます。
通常のショッピングキャンペーンで広告が掲載される主な場所は、次のとおりです。
◯ Google検索の検索結果
◯ Google検索のショッピングタブ
◯ Google画像検索
◯ Google検索パートナーのサイト(検索パートナーを含める設定の場合)
なお、P-MAXキャンペーンを使えばYouTubeやGmailなどにも商品を掲載でき、詳しい違いは後半で解説します。
また、Merchant Centerに登録した商品は、広告費をかけずに表示される「無料リスティング」の対象にもなる点を覚えておきましょう。ショッピング広告は、無料リスティングに比べて表示される商品をより細かく管理でき、露出も高めやすい有料の枠です。
ショッピング広告が選ばれる背景
ショッピング広告が活用される背景には、EC市場の拡大があります。経済産業省の調査によると、2025年の国内BtoC-EC市場規模は27.6兆円で、前年の26.1兆円から5.5%増加しました。
ネットで商品を探して購入する人が増えるなか、検索した瞬間に商品の画像と価格を見せられるショッピング広告は、EC事業者にとって欠かせない集客手段のひとつになっています。
ショッピング広告のメリット・デメリット
ここからは、ショッピング広告のメリットとデメリットを紹介します。
メリット
購買意欲の高いユーザーにアプローチできる
ショッピング広告の最大の強みは、今まさに商品を探しているユーザーに届く点です。検索語句に関連する商品が、Merchant Centerの商品データから自動で選ばれて表示されます。
たとえばGoogleで「カメラ」と検索すると、関連する商品の画像・商品名・価格・ショップ名が一覧で並ぶ仕組みです。ユーザーは商品の見た目と価格を確認したうえでクリックするため、購入につながりやすい傾向にあります。
検索結果の目立つ位置に表示されやすい
ショッピング広告は、検索結果の上部など視線が集まりやすい場所に掲載されることが多く、ユーザーの目に留まりやすい広告です。特にスマートフォンでは画像付きの広告が画面の大きな割合を占めるため、テキスト広告よりも視覚的に訴求しやすくなります。
一度に複数の商品が表示される可能性がある
ショッピング広告では、関連性が高ければ、1回の検索で自社の商品が複数並ぶこともあります。さらに、ショッピング広告とテキスト広告が同時に表示される場合もあり、露出を大きく増やせる点が魅力です。
商品ページに直接誘導できる
ショッピング広告をクリックしたユーザーは、その商品の詳細ページへ直接移動します。リンク先は商品ごとに設定されるため、トップページから商品を探してもらう手間がなく、興味を持った商品をそのまま購入まで進めてもらいやすい点がメリットです。
デメリット
商品データの管理が必要
ショッピング広告を始めるには、Merchant Centerへの商品登録と、継続的な商品データの管理が欠かせません。
価格や在庫状況、リンク先のページなどは、常にサイトと同じ最新の情報にしておく必要があります。情報が古いと商品が不承認になることもあるため、管理に手間がかかる点はデメリットといえるでしょう。
ただし、ECプラットフォームの連携機能を使えば、商品データを自動で同期できます。たとえばShopifyでは「Google & YouTube」アプリを設定すると、ショップの商品情報が常にMerchant Centerへ反映される仕組みです。
このほか、makeshop、futureshop、BASEなどもMerchant Centerとの連携に対応しています。
キーワード単位の入札調整ができない
ショッピング広告には、検索広告のようにキーワードを指定して入札単価を設定する仕組みがありません。入札単価は商品グループごとに設定するため、特定の検索語句だけ入札を強めるといった調整はできない点に注意しましょう。
ただし、除外キーワードを設定すれば、関係のない検索語句での表示を防ぐことは可能です。
ショッピング広告の仕組みと特徴
ショッピング広告では、キーワードではなく、Merchant Centerの商品データをもとに、関連性の高い検索に対して広告が表示されます。広告が表示されるまでの流れは、次のとおりです。
1. ユーザーがGoogleでキーワードを検索する
2. Merchant Centerの商品データから、検索内容と関連性の高い商品が選ばれる
3. 広告ランクに応じて、掲載される商品と順位が決まる
表示形式
ショッピング広告では、商品画像・商品名・価格・ショップ名などが1つの広告にまとめて表示されます。
表示される主な情報は、次のとおりです。
◯ 商品画像
◯ 商品名
◯ 価格(日本では税込価格)
◯ ショップ名
◯ 送料無料、商品の評価、セール価格などの補足情報
セール価格や送料無料など、ユーザーが魅力に感じやすい情報も表示できます。ただし、こうした補足情報はGoogleが表示を判断するため、必ず出るとは限りません。
課金方式
ショッピング広告は、広告がクリックされたときにだけ費用が発生するクリック課金制です。表示されただけでは料金はかからず、クリックしてサイトのページへ移動したときに課金されます。
費用目安
ショッピング広告の費用は、オークションで決まるクリック単価と、自社で設定する予算によって変わります。クリック単価の相場は、商材や競合の数、時期によって大きく異なるため、一律の目安はありません。
まずは無理のない1日の予算を決めて配信し、実際のクリック単価や費用対効果を見ながら調整しましょう。なお、通常のショッピングキャンペーンでは自動入札のほか、個別クリック単価(手動入札)も選べます。
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リスティング広告のクリック単価とは?相場・決まり方・下げる方法を解説
ショッピング広告とP-MAXの違い
P-MAXは、広告の目標をもとに配信先や入札をGoogleのAIが自動で最適化するキャンペーンタイプです。Merchant Centerの商品データと組み合わせれば、ショッピング広告の枠に加えて、YouTubeやディスプレイ、検索などGoogle広告の幅広い広告枠に配信できます。
主な違いは、次の表のとおりです。
| 項目 | P-MAXキャンペーン | 通常のショッピングキャンペーン |
|---|---|---|
| 広告が表示される場所 | ショッピングタブ、Google検索、Google画像検索に加え、Googleディスプレイネットワーク、YouTube、Gmail、マップなど、Google広告のほとんどのチャネル | ショッピングタブ、Google検索、Google画像検索、Google検索パートナー(含める設定の場合) |
| 広告フォーマット | ショッピング広告、テキスト広告、ディスプレイ広告、動画広告など | ショッピング広告(ローカル在庫広告を含む) |
| 入札戦略 | コンバージョン値の最大化(目標広告費用対効果の設定も可)、コンバージョン数の最大化(目標コンバージョン単価の設定も可) | 目標広告費用対効果、クリック数の最大化、コンバージョン値の最大化、個別クリック単価(手動入札) |
| 課金 | クリックやインプレッションなど、配信の成果に対して課金 | クリック課金(CPC) |
| 広告クリエイティブ | アセットグループ(テキスト・画像・動画など)とMerchant Centerの商品データから自動で作成 | Merchant Centerの商品データをもとに作成 |
2024年10月以降、同じ商品をP-MAXと通常のショッピングキャンペーンの両方で配信している場合、P-MAXが自動で優先されることはなくなりました。現在は、広告ランクの高いほうのキャンペーンの広告が表示されます。
ショッピング広告とP-MAXはどちらを選ぶべき?
どちらを選ぶかは、広告の目的や、どこまで自社で運用をコントロールしたいかで判断しましょう。P-MAXは配信先が幅広く、入札や配信先の多くをAIに任せます。それぞれの特徴を理解したうえで選ぶことが大切です。
ショッピング広告がおすすめなケース
商品ごとに細かく予算や入札を管理したい場合や、配信先を検索結果まわりに絞りたい場合は、通常のショッピングキャンペーンが向いています。
商品グループ単位で入札単価を調整でき、除外キーワードも設定できるため、少ない予算で効率よく運用したいときにも始めやすいでしょう。
P-MAXがおすすめなケース
ショッピング広告の枠だけでなく、YouTubeやディスプレイなど幅広い面でユーザーにアプローチしたい場合は、P-MAXがおすすめです。
テキストや画像、動画などのアセットを登録しておけば、配信先に合わせて広告が自動で作られるため、運用の手間を減らしたい場合にも向いています。
なお、2025年にはP-MAXでもキャンペーン単位の除外キーワードが使えるようになるなど、運用者が管理できる範囲は広がりつつある点も押さえておきましょう。
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ショッピング広告の導入手順
ここからは、ショッピング広告を始めるまでの手順を説明します。
1. Googleアカウントを用意する
2. Merchant Centerに登録する
3. 商品データを登録する
4. Google広告アカウントとMerchant Centerをリンクする
5. ショッピングキャンペーンを作成する
Googleアカウントを持っていない場合は、Googleアカウントの公式ページから作成してください。
Merchant Centerに登録する
Merchant Centerは、ショッピング広告や無料リスティングに使う商品データを管理する無料ツールで、登録の流れは次のとおりです。
1. Merchant Centerのログインページにアクセスし、Googleアカウントでログインする
2. ビジネス名や、商品を販売する場所(オンライン・実店舗)などのビジネス情報を入力する
3. 商品情報の追加方法(ECサイトからの自動取得、ファイルのアップロード、ECプラットフォームとの連携など)を選ぶ
4. 送料や返品に関するポリシーを設定し、ウェブサイトの所有権を確認する
1つのGoogleアカウントで作成できるMerchant Centerアカウントは1つまでなので、注意しましょう。詳しい手順は、Google Merchant Centerの公式ヘルプで確認できます。
商品データを登録する
Merchant Centerには、商品ID、商品名、説明、商品ページのURL、画像のURL、価格、在庫状況などの商品データを登録します。
商品数が少なければ管理画面から1件ずつ追加でき、多い場合はスプレッドシートやファイル、ECプラットフォームとの連携でまとめて登録する方法が一般的です。登録した商品はGoogleの審査を受け、承認されると広告に使えるようになります。
Google広告アカウントとの連携
Merchant Centerで、自社が管理するGoogle広告アカウントとリンクする手順は次のとおりです。
1. Merchant Centerの左側のメニューで設定アイコン(歯車)を選ぶ
2. [アクセスとサービス]を選び、[アプリとサービス]に移動する
3. [サービスを追加]を選び、[Google広告]を選んで[次へ]をクリックする
4. リンクするGoogle広告アカウントを選び、[次へ]をクリックする
5. [リンク]を選んで完了する(Merchant Centerとのリンクのみにする場合は[Merchant Centerにのみにリンク]を選ぶ)
他社や代理店が管理するGoogle広告アカウントとリンクする場合は、お客様IDを入力してリクエストを送り、Google広告側で承認してもらう必要があります。
ショッピングキャンペーンを作成する
Google広告でショッピングキャンペーンを作成する手順は、次のとおりです。
1. Google広告の管理画面で、プラスボタンから[新しいキャンペーン]を選ぶ
2. キャンペーンの目標(「販売促進」など)を選ぶ
3. キャンペーンタイプで[ショッピング]を選び、リンクしたMerchant Centerアカウントを選ぶ
4. キャンペーン名、入札戦略、1日の予算を設定する
5. 地域やネットワークなどのキャンペーン設定を確認する
6. 広告グループを作成し、[キャンペーンを公開]を選ぶ
キャンペーンタイプで[ショッピング]を選ぶと、P-MAXと通常のショッピングキャンペーンのどちらで進めるかを決められます。詳しくは、Google広告の公式ヘルプを確認してください。
ショッピング広告の管理方法
ショッピング広告の成果を高めるには、商品の管理と、データをもとにした効果測定が欠かせません。分析に使う指標を理解したうえで、適切に運用しましょう。
管理は「商品グループ」ごとに行う
商品グループとは、ブランドやカテゴリ、カスタムラベルなどの属性で商品をまとめたグループのことです。同じ商品グループに含まれる商品には、同じ入札単価が使われます。
キーワード単位の入札はできませんが、商品を細かくグループ分けすれば、売れ筋商品だけ入札を強めるといった調整も可能です。費用や成果も商品グループ単位で確認できるので、最初に分け方を決めておくと運用が楽になります。
商品グループの設定方法は、Google広告の公式ヘルプを参考にしてください。
分析に使用する主な指標
ショッピング広告では、次の指標を使って分析や効果測定を行いましょう。
ベンチマーク上限クリック単価
ベンチマーク上限クリック単価は、ほかの広告主が類似の商品に設定している上限クリック単価の目安を示す指標です。表示回数が伸びない場合は、この数値を参考に入札単価を見直しましょう。
ベンチマーククリック率(CTR)
ベンチマーククリック率(CTR)は、類似商品の広告がどのくらいの割合でクリックされているかを示す指標です。自社の数値がこれを下回る場合は、商品画像や商品名を見直しましょう。
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クリックシェア
クリックシェアは、獲得できた可能性のあるクリック数のうち、実際に獲得したクリック数の割合を示す指標です。数値が低い場合は、入札単価や予算を上げることで、クリックを増やせる余地があると判断できます。
検索広告の最上部インプレッションシェア
検索広告の最上部インプレッションシェアは、検索結果の上部に広告が表示された回数を、上部に表示される可能性があった回数で割った割合です。商品が目立つ位置に表示できているかを確認する際に役立ちます。
ショッピング広告の費用対効果を上げるポイント
ここからは、ショッピング広告の費用対効果を高めるポイントを解説します。
商品データはできる限り詳しく入力する
商品データには、必ず入力する必須項目と、省略できる任意項目があります。必須項目だけで終わらせず、任意項目もできるだけ入力しておきましょう。情報が詳しいほど検索語句と商品が結び付きやすくなり、表示の機会やクリック率の向上が期待できます。
セール価格や送料、商品レビューなども積極的に登録しましょう。商品の評価(星の数)を表示するには、商品評価プログラムへの参加が必要です。参加には商品レビューが50件以上あることが条件のため、レビューが集まってきたら申し込みを検討しましょう。
商品画像と商品名のテストを繰り返す
ショッピング広告では、商品画像と商品名がクリック率を大きく左右します。成果が伸びない場合は、いくつかのパターンを用意してテストを繰り返しましょう。
商品画像は、ひと目で何の商品か分かることがもっとも重要です。商品が見切れている画像や、ユーザーが知りたい部分が写っていない画像は避けましょう。
商品名は最大150文字まで入力でき、色やサイズ、素材、対象など、ユーザーが検索しそうな情報を盛り込むことが大切です。表示される文字数は画面によって限られるため、重要な情報ほど前半に入れておきましょう。
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商品データは定期的に更新する
商品データは、少なくとも30日に1回はGoogleに送信し、最新の状態を保ちましょう。30日以上更新されない商品は期限切れとなり、表示されなくなります。
価格や在庫がサイトと食い違うと、商品が不承認になったり、ユーザーの離脱につながったりしかねません。更新の頻度を決めて、管理体制を整えておきましょう。
カスタムラベルを活用する
カスタムラベルを使うと、商品を自社独自の基準で分類できます。たとえば「セール対象」「売れ筋」「利益率が高い」といったラベルを付ければ、その単位で商品グループを作り、入札や予算を分けて管理することが可能です。設定方法は、Google広告の公式ヘルプを参考にしてください。
ショッピング広告に適した商材は?
最後に、ショッピング広告に向いている商材と、向いていない商材を紹介します。
ショッピング広告に適している商材例
見た目で選ばれやすい商品
アパレルやアクセサリー、インテリア、家電など、見た目やデザインが購入の決め手になりやすい商品は、ショッピング広告と相性の良い商材です。画像と価格を並べて比較してもらえるため、ユーザーの購入意欲を高めやすいでしょう。
リピート購入されやすい消耗品
化粧品や食品、ペット用品など、日常的に買い替える消耗品も、ショッピング広告に向いています。購入の機会が多いぶん、検索される回数も多く、継続的な売上につなげやすい商材です。
ニッチな市場向けの商品
特定の趣味や用途に特化した商品も、ショッピング広告と相性が良い商材です。競合が少ない分野では、自社の商品が表示されやすく、クリック単価も抑えやすい傾向にあります。
ショッピング広告に適していない商材例
サービスや電子書籍など、掲載対象外の商材
ショッピング広告では、手に取れる商品を宣伝します。そのため、修理や会計などのサービス、コンテンツのストリーミング、電子書籍、コンサートや航空券などのチケット、自動車などは、広告掲載の対象外です。
Webサービスやデジタル商品を宣伝したい場合は、検索広告など別の広告手法を検討しましょう。
高額で検討期間が長い商品
住宅設備や高級家具のように、価格が高く比較検討に時間がかかる商品は、ショッピング広告だけでは購入まで届かない場合があります。クリック後に資料請求や問い合わせを促したり、リマーケティングと組み合わせたりする工夫が必要です。
規制の対象となる商品
武器やタバコなど危険性の高い商品は、ショッピング広告に掲載できません。アルコールや医薬品などは、国や地域ごとの条件を満たした場合に限り掲載が認められます。掲載できない商品の詳細は、Google Merchant Centerの公式ヘルプで確認しましょう。
まとめ
Googleショッピング広告は、商品画像や価格を検索結果などに表示し、商品を探しているユーザーに直接アピールできる広告です。成果を高めるには、Merchant Centerの商品データを正確かつ詳しく整え、商品グループやカスタムラベルを使って管理することが欠かせません。
P-MAXとの違いも理解したうえで、自社の目的に合ったキャンペーンを選びましょう。