【第12回】1つのWebサイトではなく、1つの思想をつくる ― 情報を並べるのではなく「価値」を届ける設計 ― | KURO HOLDINGS株式会社

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2026/07/30

【第12回】1つのWebサイトではなく、1つの思想をつくる ― 情報を並べるのではなく「価値」を届ける設計 ―

  • KURO HOLDINGSのマーケティング哲学書
KURO HOLDINGSのマーケティング哲学書12

前回は、私たちがプロジェクトにおいて、事業と顧客を結ぶ「翻訳」のプロセスを重視しているというお話をしました。今回は、その「翻訳」の技術が、実際のWebサイトやLPの制作においてどのように発揮されるのか、具体的な設計の裏側について紐解いていきます。

 

「売上を上げるために、新しくて綺麗なLPを作りたい」 マーケティングの現場で新しいLPを制作する際、どうしても「商品の機能や成分をすべて載せよう」「他社にはない強みを、一番目立つように配置しよう」という、情報を足していく力が働いてしまいがちです。

 

しかし、もしあなたの会社のLPが、ただ「商品の情報」を綺麗に並べただけのものになっているとしたら、それは期待するような成果には繋がりません。

情報を並べるだけの「カタログ化」の罠

なぜ、情報を並べるだけでは売れないのでしょうか。それは、顧客が本当に求めているのは「商品のスペック情報」ではないからです。

 

顧客の頭の中にあるのは、「この商品を買えば、私の今の悩みは解決するのか?」「自分の生活は今より豊かになるのか?」という、声にならない不安や願望(インサイト)です。

 

それに対して、「この素材はこんなに素晴らしい」「このシステムには100個の機能がある」と売り手の論理で情報を網羅してぶつけても、顧客からすれば「情報が多すぎて選べない」「自分に合うかどうかわからない」と、かえって離脱の理由を与えてしまうことになります。

 

情報を並べるだけのLPは、ただの「カタログ」にすぎません。私たちが設計すべきなのは、カタログではなく、顧客の心に届き、行動を変えるための「価値の伝達」なのです。

1本のLPに「事業の思想」を宿らせる

ここで「言われた通りに文章と画像を組み合わせて見栄えを整える」という作業をゴールにしてしまうと、価値は伝わりません。 私たちがすべての業務の土台としている思考プロセス「DSO(Design / Strategy / Operation)」において、LP制作は一番最後の「Operation(実装)」にあたります。

 

つまり、私たちがLPの構成を描き始める時、そこには必ず上流の「Design(なぜこの事業をやるのか)」と「Strategy(誰のどんな不を解消するのか)」という強固な設計図が存在しています。

 

例えば、私たちがインテリアブランドのLPを設計するとき、「このソファは〇〇センチで、〇〇色があります」といった機能の説明から入ることはありません。 インテリア選びにおいて顧客が最も恐れているのは、「自分の部屋に合わなかったらどうしよう」という「失敗への恐怖」です。

 

だからこそ、私たちは商品のスペックよりも先に、「プロの空間設計者として、あなたの間取りやライフステージに合わせた『理想の空間(正解)』を提示する」というブランドの思想をコンテンツとして配置します。単品の紹介ではなく、間取り別の配置図やセット提案を組み込み、顧客の「物理的な納得感」と「情緒的な共感」を同時に満たす構造へと作り変えるのです。

顧客の「願望の代弁者」になる

これは、どんな業界や商材であっても同じです。 機能的価値を、顧客の文脈に合わせた「本質的価値」へと翻訳し直すこと。顧客自身もうまく言葉にできない願望の代弁者となり、その商品を手にした先の未来(思想)を、1つのページの中で圧倒的なストーリーとして展開すること。

 

「LPを1本納品する」という実行フェーズであっても、事業の根幹にある価値を再定義し、社会へと正しく循環させるための資産として設計する。局所的なデザインの足し算(1+1=2)ではなく、この深い翻訳のプロセスこそが、顧客の心を動かし、事業全体の価値を非連続に増幅させる(1+1=3)ための最大の鍵となります。

まとめ

自社のLPやWebサイトを見直すとき、「情報が足りているか?」ではなく、「私たちが届けたい価値が、顧客の感情に正しく翻訳されて伝わっているか?」と問い直してみてください。

 

次回は、この「翻訳」を社内外にブレなく伝播させるための最も強力な武器、「言語化」についてお話しします。なぜ私たちが「言葉の解像度」にここまでこだわるのか。その理由を紐解きます。

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